こんにちは、モリ(@ijumori)です。
自伐型林業を実践する人が徐々に全国で増えているという知らせを聞くと、とてもうれしく思います。
また先日、林業を志す若者を増やすために、林業の実践と普及に力を入れていきたいと語る若き林業家と話をしました。
まだいつ始めるのか、どこでやるのかは未定とのことですが、ビジョンにはとても共感できるものでしたので、何かしら関われたらいいなと思ってます。
わたしは自伐型林業を生業(なりわい)の一つにしたいと考えています。
自伐型林業を専業にするためには技術はもちろん必要なのですが、それなりに広い面積の山が必要です。
山が手に入ったとしてもはじめのうちは林業から得られる収入はとても少ない。
そのため自伐型林業は「複業」をすることが一般的となっています。「複数の生業」です。
農業をしながら林業をしている人は今でも多いと聞きます。
いわば自伐型林業というのは百姓なのです。
そこで今回は、林業と一緒におこなうと楽しい「複業」を5つ紹介します。
林業と一緒におこなうと楽しい「複業」5選
今回ご紹介する複業はこの5つです。
- 樹液ビジネス
- 養蜂業
- 薪炭製造
- メダカ繁殖
- 花卉栽培
1つずつ見ていきましょう。
樹液ビジネス
樹液ビジネスとは、樹木から出る樹液を加工して販売することです。
どんな樹液が取れるのかというと、例えばカエデからメープルシロップのもととなる樹液が採取できますし、漆の木からは漆が採れます。
通常の林業において、木がお金に替わるときとは伐採してからなのですが、それまでに膨大な時間と労力が必要です。
しかし樹液ビジネスのいいところは、樹液は長いと30年近く採取できるというところです。
つまり1本の木が30年間毎年お金を生み出してくれるということなんです。
一度切ったら終わりという林業において、長年継続して換金できるというのは非常に魅力的であります。
カエデの樹液は、煮詰めるとメープルシロップになります。
そのまま販売するだけではなく、地元のケーキ屋さんや飲食店で砂糖の代わりに使ってもらったりすると、地元産という付加価値が生まれ、地域の活性化につながるなど何かしらの相乗効果が生まれる気がします。
樹種によって樹液が取れる時期が異なるので、複数の樹種を揃えておくと、季節問わずいつでも樹液の採取ができるという点もこのビジネスの特徴です。
今後の課題は、いかに効率的に樹液を採取できるかにあります。
関連記事▶▶▶樹液ビジネスが自伐型林業の複業として成り立つのか調べてみた
養蜂業
養蜂業とはミツバチを育ててハチミツを得ることです。
他にも農作物の受粉のためにミツバチを貸し出すことも養蜂業の仕事の1つです。
これまで国内で行われている慣例方法ですと蜂の巣一群で12,000円位の儲けが出るようです。
これが10箱だと120,000円、20箱だと240,000円。。。ぐふふ。
でも20箱だと管理も大変そうですね。
しかしこれは慣例方法の場合の話です。
最近はIoTの発達が凄まじく、スマホで巣箱の一括管理ができるサービスがあったり、ハチにストレスを与えずに簡単に採蜜ができる巣箱が開発されています。
サービスの導入時や巣箱の購入時にはどうしても費用がかさみますが、その後の手間や儲けを考えるとはじめからそういった最新のものを導入したほうが良さそうです。
例えば国内のIoT事例でいいますと、bee-sensingという巣箱の温度や湿度がスマホで把握できるというサービスがあります。
Bee Sensing (ビーセンシング)|IoTとAIを利用した養蜂業向けソリューションテクノロジーより
巣箱が置いてあるところまで見に行かなくても、自宅でもどこでも巣箱の状態をチェックできるサービスです。
このサービスを利用するとかなりの負担が軽減できます。
また、作業履歴を残せるので、どこで誰が生産したハチミツなのかを消費者へ伝えることもできるようです。
トレーサビリティ(生産段階から最終消費段階あるいは廃棄段階まで追跡が可能)という面でもこういったサービスを利用することは付加価値につながってきますね。
また、採蜜を簡単にできる巣箱の開発も進んでいます。
例えば海外の「Flow Hive」というもの。
動画で見るとわかりやすいです。
巣箱を開けて蜜蝋を削ぎ落として遠心分離機にかけてという作業をしなくても採蜜ができるんです。
これはとてもいいですね。
「複業」はあまり手間をかけずにおこなえるものがいいと思うんです。
もしくはこれまでの作業を見つめ直し、より手間を減らし効率よく作業できないか考えることが大切ではないかと思います。
養蜂業は大変だという声が多いのですが、こういったサービスや製品を利用することで解消できることがたくさんあると思います。
関連記事▶▶▶養蜂業が自伐型林業の複業として成り立つのか調べてみた
薪炭製造
薪炭製造とは、薪または炭を製造することです。
薪と炭の消費量は減少傾向にあります。
そのため、あえて薪炭製造をする必要はないかもしれません。
しかし近年、薪ストーブに注目が集まっていることを考えると、近隣地域に冬季期間中だけ薪の定期配達をするというサービスもできるのではないでしょうか。
そうすることで木材としてあまり利用価値のない木でも放置したり伐採しても山に捨ててくるのではなく、薪として利用できれば山の手入れも進んでいくのではないかと思います。
また、そのままではあまり高値をつけて売れないのであれば、付加価値をつけることを考えればいいのではないでしょうか。
例えば備長炭なんかはいい例ですよね。炭の高級路線をひた走っています。
他に付加価値をつけるとしたら、インテリア雑貨としておしゃれな炭製品が作れれば売れそうじゃありませんか?
炭にはもともと調湿機能や消臭機能がありますし、そこにインテリア性をもたせた製品に仕上がれば、感度の高い人を中心に販売展開していけるのではないでしょうか。
関連記事▶▶▶薪炭製造が自伐型林業の複業として成り立つのか調べてみた
メダカ繁殖
なぜメダカ?と思う人もいるかもしれません。
しかし自伐型林業の「複業」はなにも山仕事に限る必要はありません。
あまり手間ひまがかかるものを、いくつも掛け持ちしないほうが自伐型林業は成功すると思うんです。
そういった意味ではメダカの繁殖は自伐型林業の「複業」にとても向いています。
メダカはネットオークションでよく売られています。
しかも高値で取引されています。
金魚や熱帯魚の飼育をしたことがある人も多いと思いますが、メダカの飼育はそれほど難しくありません。
コツを掴めば簡単に繁殖させることができます。
少し面倒なのは、オークションで売る場合の出品作業と配送作業でしょう。
いかにシステム化できるかがポイントになってくると思います。
アクアリウムは何よりも癒しになるので、個人的な楽しみとして始めてみるのもいいですね。
メダカ以外でもアクアリウム関係のものは一定の需要がありますので、自分の好きなものから始めて徐々に売れ筋に移行していくのもいいかもしれませんね。
関連記事▶▶▶自伐型林業の複業として「メダカの繁殖」と「シンビジュームの株分け」を試す
花卉(かき)栽培
花卉農家は意外に高収入だって知っていますか?
しかし「複業」とするにはあまり手間がかからないという考え方が大切なので、花卉農家と同じように活動はできません。
そうなると、手間がかからずに育てやすい植物ということになります。
今ぼくが育てているのがシンビジューム(シンビジウム)です。
シンビジュームは洋蘭の一種です。
シンビジュームはバルブと呼ばれる球根のようなところから葉や花芽が出て、バルブを増やしながら成長していきます。
このバルブは2~3個ずつだと切り離して植え替えられます。
これを株分けと言います。
株分けをすることでシンビジュームをどんどん増やせるんです。
水やりさえしていれば、ある程度は放っておいても育ってくれます。
株分けしたあとは翌年かその次の年には花が咲きますので、そのタイミングで販売できると思います。
蘭の中では育てやすい品種ですので、シンビジューム栽培はとてもおすすめです。
関連記事▶▶▶自伐型林業の複業として「メダカの繁殖」と「シンビジュームの株分け」を試す
まとめ
自伐型林業の「複業」は楽しくおこないたいものです。
また、手間がかかるものはなるべく避けるほうがいいと思います。
今回挙げた5つの「複業」候補はどれもそれほど手間がかからずに楽しくおこなえるものだと思います。
「複業」は1つに限ることはありませんので、自分のやりたいことをいくつも試しながら林業と並行して楽しくおこなってみてください。
最後まで読んでくれてありがとうございました。
モリ(@ijumori)でした。
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