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養蜂業が自伐型林業の複業として成り立つのか調べてみた

地域おこし
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こんにちは、モリ(@ijumori)です。

 

自伐型林業(自伐林業ともいう)の実践を夢見てやまないぼくですが、自伐型林業ですぐに食べていけるだけの稼ぎを生み出すのはなかなか難しいようです。

調べてみたら、自伐型林業を専業の生業(なりわい)とするのではなく、+αでとして何か別の副業をする「半林半X」のような形で進めるのが失敗が少ないやり方のようです。

そんなわけで、今回は次のような副業が可能かどうか検討してみました。

それは「養蜂業」。つまりハチミツを採る仕事です。

  • 日本で養蜂ってどれくらいの市場規模なのか
  • 林業と組み合わせてやっていけるほどの作業量なのか
  • 稼ぎはどれくらいを見込めるのか

 

などなど、知らないことが多すぎるので、「養蜂」について調べてみました。

ご参考になれば。

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自伐型林業の複業(副業)として養蜂業は可能か

林業をおこなう場所といえば自然豊かな地域ということになります。ということは、まわりにはお花がたくさん咲く場所もあるんじゃないかなと思うんです。

となると、蜂の巣箱を設置して、蜂群を購入して、その蜂たちにハチミツを集めてもらえば、ハチミツが収入源のひとつになるのではないでしょうか。

発想は単純ですが、可能性は高いのではないかと思っています。

 

日本の主要蜜源植物を調べてみると、全国どこでもやっていけそう

つぎは蜜源となる植物について調べてみました。

日本では、600種類以上の植物にミツバチの訪花が確認されていますが、その中でも特に優良とされている蜜源・花粉源を集めました。

ウンシュウミカン、 エゴノキ、 キハダ(シコロ)、 クロガネモチ、 コシアブラ、 シナノキ、 ソバ、 ソヨゴ(フクラシ)、 タチアワユキセンダングサ、 トチノキ、 ナタネ(アブラナ)、 ニセアカシア(ハリエンジュ)、 ハゼノキ、 ホワイトクローバー(シロツメクサ)、 リンゴ、 レンゲ(ゲンゲ)など

日本の主要蜜源植物 « 一般社団法人 日本養蜂協会より引用

すると、日本では600種類以上の植物がミツバチたちが蜜を集めにきているということがわかりました。

例えば、アブラナやレンゲは景観保護活動の一環や観光の目玉として植えられている地域がありますよね。

そんなところは蜜源として最適な場所といえます。

そういう地域では景観保護とセットで養蜂をしないともったいないです。

他にも蜜源を調べてみると、ソバやイネなんかもいいそうです。

セイタカアワダチソウも外来種として嫌われ者ですが、蜜源としては最高なんだとか。

そう考えると養蜂は日本全国どこでも可能なんじゃないかと思うわけです。

もちろん技術とかもろもろ必要なことはあるのでしょうが、特に場所を選ばずどこでもできると思います。

 

そもそも養蜂業とはどんな仕事なのか

では、そもそものお話なのですが、養蜂業とはどんな仕事なのか見ていきましょう。

養蜂(ようほう)とは、ハチミツあるいは蜜蝋や花粉をとるためにミツバチを飼育することである。また、虫媒による、農作物の受粉を確実にするためにも使われる。

養蜂 – Wikipediaより引用

養蜂とは、ハチミツだけではなく、蜜蝋(みつろう)や花粉を採ることも含まれているんですね。

蜜蝋はクリームや口紅などの原料として化粧品に利用されています。

個人や小規模養蜂業者ではあまり扱えなさそうなので、自伐型林業の複業として養蜂業をおこなうときは、ハチミツを採ることがメインとなりそうですね。

 

日本の養蜂家はどれくらいいるの?

では、日本に養蜂業をしている人はどれくらいいるのでしょうか。

平成28年1月1日現在、日本における蜜蜂飼育戸数は9,452戸となっています。

都道府県別で見てみます。

1位から5位は以下のとおりです。(平成28年1月1日現在)

1位 長野県 617戸
2位 静岡県 473戸
3位 和歌山県 451戸
4位 岐阜県 384戸
5位 愛媛県 373戸

 

日本でハチミツはどれくらい生産されているの?

つぎは日本で生産または消費されるハチミツの量を調べてみます。

平成27年に日本で生産されたハチミツの量は2,865トンでした。

ちなみに昭和60年に生産されたハチミツの量は7,225トンでしたので、30年間で生産量が約4割にまで激減していることがわかります。

  昭和60年 平成27年
生産量 7,225トン 2,865トン

 

では平成27年の都道府県別のハチミツ生産量を見てみます。

1位 長野県 316.7トン
2位 北海道 288.3トン
3位 秋田県 222.5トン
4位 熊本県 194.6トン
5位 青森県 185.1トン

となっています。

北海道や秋田県、青森県など寒冷地域でも多く生産されていることが興味深いですね。

寒い地域でも生産量を確保できるということは、つまりは日本全国どこでも養蜂が可能であるといえるでしょう。

 

日本でのハチミツはどれくらい消費されているの?

そういえば普段からそんなにハチミツって使わないけど、消費量は減ってたりするのかな?

 

そう思ったので消費量も調べてみることに。そうすると意外な結果がわかりました。

  昭和60年 平成27年
消費量 35,272トン 39,058トン

 

増えてる!

 

増えてました。

しかし、平成17年の45,919トンの消費量をピークに、最近は減少傾向にあるんです。

生産量は大きく減少傾向にあるのに、消費量は一時期よりも減ったとは言え微減にとどまっています。

なぜなのでしょうか。

それは、輸入品が増えたからなんです。

 

日本で流通しているハチミツのほとんどが中国産

日本では2,865トン弱のハチミツが生産されているのに対し、輸入されているハチミツは36,222トン。

 

10倍以上だ…

 

さらに、輸入されたハチミツ36,222トンのうち中国から輸入されたものが26,411トンで、全輸入量の約73%を占めています。

 

中国産多いわ!

 

圧倒的中国産。

これはやはり価格が圧倒的に安いのが理由です。

国産のハチミツが1kgあたり1,000円~なのに対し中国産は326円となっています。

この価格差であれば中国産を手に取ってしまいますよね。

国内の事業者が業務用・加工用として使用するハチミツはほぼ輸入されたハチミツです。

国産のハチミツは家庭用として販売されています。

業務用としては国産ハチミツは値段が高すぎて輸入ハチミツに頼らざるを得ない状況です。

 

では養蜂業を自伐型林業の複業にするにはどうしたら良いのか考えていきたいと思います。

 

「引き算仕事術」で複業としての養蜂業を考えていく

そもそもの話になってしまいますが、自伐型林業の複業はそれほど手間ひまかけずにできるものであるべきだと思っています。

養蜂に四六時中時間が取られて、林業やその他の複業ができなくなるのは本末転倒なことですからね。

そのため、養蜂業でもあまり手間を掛けずにできる方法を考える必要があります

林業と併せておこなう養蜂業は規模がそれほど大きくないものとなるので、採るものはハチミツのみとし、蜜蝋などは今回は無視していきます。

 

加熱処理をしない

現在流通しているハチミツの多くは加熱処理されたものです。

また水飴などが加えられた加糖ハチミツも非常に多く出回っています。

本来ハチミツというものは、加熱をしなくても長期間保存できるものです。

加熱するとハチミツが固まりにくくなり、瓶詰め作業がしやすくなるので、作業効率アップのため加熱処理されることが多いのです。

また、濃度を高める目的で加熱処理がおこなわれることもあります。

しかし加熱処理をおこなうと、ハチミツに含まれる有用成分が破壊されてしまいます。

そうなるとただの甘い液体になってしまいます。

 

なので引き算仕事術としてまずは「加熱処理をしない」ということが挙げられます。

 

巣箱の確認はスマホアプリで簡単チェック

養蜂業で大変な作業の1つに、巣箱の目視チェックがあります。

なんのために行っているのかというと、蜂の様子や蜜のたまり具合、天敵や害虫がやってきていないかなどを確認するためです。

季節によって確認する項目が変わってきますが、巣箱を設置した場所によっては確認しに行くだけで大変な作業になることもあります。

そのため、すぐに見に行ける場所に設置できるのが望ましいのですが、なかなかそうもいかない場合もあります。

そんなときはIoTの技術を使って解決しましょう。

巣箱にセンサーを取り付けて、巣箱を管理できるサービスが次々と出てきています。

例えばBee Sensingというサービス。

これは巣箱にセンサーを取り付けて巣箱の温度や湿度などのデータをスマホで確認ができ、巣箱まで確認しに行くかどうか判断ができる優れたサービスです。

また、作業履歴等を記録することもできるので、データの蓄積も可能です。

こういったサービスを利用することによって、生産者情報をデータ化し、生産者、採取場所、花の種類、採取日等の情報を消費者へ提供すること、いわゆるトレーサビリティも可能になってきます。

消費者への安全安心の提供のため、そして自身の作業効率の向上のためにもこういったサービスを積極的に導入していくのがよいでしょう。

Bee Sensing (ビーセンシング)|IoTとAIを利用した養蜂業向けソリューションテクノロジーより引用

 

海外の最新プロダクトで採蜜作業を効率化

従来の採蜜作業は、燻煙機の煙で蜂をおとなしくさせて→巣枠を外し→蜜蓋をカットし→遠心分離機にかけ→巣枠を巣箱へ戻すという作業工程です。

蜂作業のご紹介より引用

この作業をもっとスマートにしてくれるプロダクトが海外で開発されました。

それは「Flow Hive」というものです。

次の動画が非常にわかりやすいのでまずは見てみてください。

Flow™ Hive Full Reveal [Original crowdfunding video 2015]

こういった革新的なプロダクトを取り入れることで省力化が図れます。

このプロダクトですと簡単に安全にほぼ自動的に採蜜ができるので、積極的に取り入れていきたいですね。

 

養蜂で得られる収入はどれくらい?

従来の方法で養蜂を行った場合、蜂の巣一群で12,000円位の儲けが出るといわれています。

正直少ないように感じます。

しかしこれは従来の慣例方法で行った際の儲け額でしょう。

そのため、「引き算仕事術」で挙げたように、やらないことや作業の効率化・省力化をすすめることで、手元に残るお金を増やすようにすることが大切です。

 

ハチミツの販路をどう拡大すればいいのか

しかし、いくら効率化を図ってもいずれ限界がきます。

ではそんな時次に打つ手は何でしょうか。

国産のハチミツは輸入品と比べるととても割高です。

しかし食の安全に敏感な日本人にとって「国産」というのはもっとも強いブランドです。

しかも中国産のハチミツとの差別化を強く訴えることで国産ハチミツの価値を高めることができると思います。

そのため、「純度100%はちみつ」、「●●(地域名)はちみつ」など特徴や産地なので差別化や優生さを訴求して商品づくりをするといいでしょう。

そしていまや道の駅はいたるところにありますし、生産者と消費者を直接つなぐファーマーズアプリやサービスもたくさん生まれています。

生産者はそういったチャネルをどんどん活用してみましょう。

下の動画みたいなサービスです。

 

ポケットマルシェの使い方(農家・漁師の方へ)

 

まとめ

養蜂業を自伐型林業の「複業」の一つと考えた場合、なるべく手間を掛けないようにしたいわけです。

そう考えた場合、

 

  • 効率化・省力化を図る
  • 販売チャネルを増やす

 

この2つをどう事項していくか考えればいいわけです。

その一例として新製品や新サービスを積極的に利用しようと提案いたしました。

巣箱をスマホで管理し、採蜜も自動化することで、ある意味ほったらかしにできるのであればやらない手はないですよね。

 

そういうわけで、養蜂業は自伐型林業の複業として期待できそうです。

 

最後まで読んでくれてありがとうございました。

モリ(@ijumori)でした。

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