【高配当】九州旅客鉄道(9142)配当分析|利回り3.33%・2年連続増配

用語の解説(クリックで開く)
配当利回り
直近1年の配当金合計 ÷ 現在株価 × 100(%)。高いほどインカムが厚い目安。
配当性向
配当金 ÷ 当期純利益 × 100(%)。30〜50%が安心ゾーン。80%超は持続性に注意。
PER
株価 ÷ 1株利益。低いほど利益に対し割安とされる(業種差あり)。
PBR
株価 ÷ 1株純資産。1倍割れは資産に対し割安の目安(業種差あり)。
ROE
当期純利益 ÷ 自己資本 × 100(%)。資本効率の指標。10%以上なら優良の目安。
ROA
当期純利益 ÷ 総資産 × 100(%)。会社全体の資産効率。
DOE
配当金 ÷ 自己資本 × 100(%)。利益より変動しにくい自己資本が分母なので、配当の安定方針が読み取れる。日本企業はおおむね2〜4%、中央値は3%前後。
自社利回り比(sy)
現在利回り ÷ 過去5年平均利回り。1超なら自社の過去より割安な水準。
連続増配
分割調整済み配当が前年比で増えた年数。同額維持は非減配として別途カウント。
非減配
配当を減らしていない年数(増配または同額維持)。長いほど配当が安定。
自己資本
会社の資産のうち返済不要な株主のお金。純資産ともいう。
自己資本比率
自己資本 ÷ 総資産 × 100(%)。高いほど借金依存が低く財務が頑丈。
フリーキャッシュフロー
本業で稼いだ現金から投資を引いた残り。配当の原資。マイナス続きは要注意。
時価総額
株価 × 発行済株式数。会社の市場価値。大きいほど値動きが安定しやすい。
EPS
1株あたり利益。配当の元手。EPSが伸びれば増配余地も広がる。
BPS
1株あたり純資産。会社の解散価値の目安。
営業利益率
営業利益 ÷ 売上高 × 100(%)。本業の稼ぐ力。
5年平均利回り水準
配当利回りが過去5年平均に一致する株価。今の株価がこれより下なら、利回りは5年平均より高い。
5年最低利回り水準
配当利回りが過去5年の最低まで下がる株価。今の株価がこれより上なら、利回りは5年で最も低い側。
減配
配当を前年より減らすこと。配当株投資では最も避けたいイベント。

1. 企業概要

九州旅客鉄道(9142・JR九州)は鉄道と不動産を両輪にする、陸運業の一社です。まず配当の輪郭を数字で押さえます。

項目
銘柄コード 9142
業種 陸運業
配当利回り(株価ベース) 3.33%
1株配当(最新期・分割調整済) 115.00円
総合判定 対象外
総合スコア 72.4
連続増配 2年
非減配 4年
配当性向 38.93%
PER / PBR 12.70 / 1.17
ROE 9.54%
DOE(株主資本配当率) 3.60%(業種中央値 1.74%)

JR九州の時価総額は約5,802億円。鉄道に加え、駅ビルやマンションなどの不動産で稼ぐ会社です。

業績は着実に戻ってきました。1株利益は2022年度の84.34円から、198.38円、244.67円、278.96円、そして2026年度は295.39円へ。鉄道の回復と不動産の伸びが利益を押し上げています。ROE9.5%営業利益率14.8%で、いずれも業種中央値を上回りました。

配当利回り3.33%。陸運のなかでは高めの水準で、還元と成長がかみ合っている一社です。

2. 配当の魅力

利回りの水準と、増配の記録を順に見ます。手がかりは下の表とグラフです。

期間 最大 平均 最小
5年 4.80% 3.31% 2.42%
3年 3.39% 2.98% 2.42%
1年 3.38% 3.04% 2.82%
現在 3.33%
会計年度 1株配当(分割調整済) 配当性向 EPS
2022年3月期 93.00円 110.27% 84円
2023年3月期 93.00円 46.88% 198円
2024年3月期 93.00円 38.01% 245円
2025年3月期 98.00円 35.13% 279円
2026年3月期 115.00円 38.93% 295円

DOEで見る減配しにくさ

DOEは配当÷自己資本。利益は年ごとにブレます。でも自己資本はそう簡単には減りません。だからDOEが高い会社ほど、業績が少し傾いても配当を保ちます。

この会社のDOEは3.60%。全国の中央値3%を超え、業種中央値は1.74%も上回ります。自己資本にしっかり配当を回す会社です。少しくらい業績が落ちても、配当はそう簡単に減りません。

いまの利回りは3.33%で、5年平均の3.31%とほぼ同じ位置です。過去の自分と照らせば平均どおりの水準にいます。5年間の最高は4.80%まであり、株価が下がった局面では利回りが膨らんだ時期もありました。

直近1年の平均利回り(3.04%)は5年平均(3.31%)より低め。この1年は株価が上がり、利回りがやや縮んでいた、と読めます。

棒グラフは足踏みのあとに立ち上がる形です。93円で3年横ばいだったあと、98円、115円と増配へ動きました。業績の回復が配当に反映され始めた様子が見て取れます。

※連続増配・非減配の年数は自動算出値です。重要な投資判断の前には、企業のIR資料での確認を推奨します。

現在の配当利回りは3.33%。過去5年平均の3.31%とほぼ同じで、高配当と呼べる水準を保っています。

配当は数年の横ばいを経て伸び始めました。1株配当は2022年度から2024年度まで93円で足踏みしたあと、98円、そして2026年度は115円へ(分割調整後)。2年連続の増配で、4年間減配はありません。

配当性向38.9%と無理のない水準です。利益に対して配当はまだ余裕があり、増配の原資は残っています。DOE3.60%で業種中央値1.74%を大きく上回り、還元の姿勢は数字にはっきり出ています。

連続増配非減配の年数は自動算出値です。大きな判断の前には、企業のIR資料でも確かめてください。

3. 業績と財務の安定性

配当を支える稼ぐ力と、財務の余力を確認します。

指標
ROE 9.54%
ROA 3.72%
DOE 3.60%
自己資本比率 40.48%
EPS / BPS 295 / 3211
収益性スコア 1.62
還元スコア 1.53
割安スコア 1.14

自己資本比率40.5%。ROEは9.5%ROA3.7%、営業利益率14.8%で、稼ぐ力の3指標がそろって業種中央値を上回りました。鉄道会社としては利益率の高さが目を引きます。不動産事業が採算を底上げしている構図です。

売上は前期比10.1%、1株利益は5.9%の伸び。回復から成長へ移りつつあります。

フリーキャッシュフローはマイナスでした。鉄道と不動産開発への投資が続く事業構造の影響が大きく、本システムはこのFCFマイナスを足切り条件として、総合判定を対象外に置いています。稼ぐ力そのものは業種内で上位にある点は押さえておきたいところです。

4. 割安度

PER12.7倍PBR1.17倍。PBRは業種中央値0.96倍を上回っています。

自社の過去と比べると、利回りはほぼ平均どおりです。現在利回り3.33%を5年平均3.31%で割った自社利回り比1.01。1とほぼ同じで、過去の自分と照らせば株価は平均的な位置にいます。

本システムの判定はFCFマイナスで対象外ですが、収益性と還元姿勢は良好です。利回りの水準と自社平均どおりの株価をあわせて見てください。

過去5年の配当利回りレンジを、株価の水準に置き換えたものです。いまの株価がそのレンジのどこにあるかを示します。前提は「配当が今の水準を保つこと」で、業績の変化は織り込んでいません。売買を推奨するものではありません。

区分 株価水準(対応利回り)
現在株価 3451円(利回り3.33%)
5年平均利回りに戻る株価 3474円(利回り3.31%)
5年最高利回り時の株価 2396円(利回り4.80%)
5年最低利回り時の株価 4752円(利回り2.42%)

いまの株価は3474円(利回りが5年平均に戻る水準)を下回っています。利回りは5年平均より高く、過去のレンジでは株価が低い側にあります。

株価3,451円は、利回りが5年平均に一致する3,474円のすぐ近くにあります。過去5年の利回りで見れば、株価はほぼ平均的な位置です。売買を推奨するものではありません。

5. 総合判断

総合判定: 対象外(スコア 72.4)

配当性向超過・FCFマイナス・データ欠損など、本システムの足切り条件に該当しました。参考情報としてご覧ください。

判定根拠:
FCFマイナス
+ 利回り3%以上
+ DOE2%以上かつ業種平均以上(還元姿勢良好)

総合判定は対象外です。フリーキャッシュフローがマイナスで、本システムの足切り条件に該当しました。

中身は堅めです。ROE9.5%、営業利益率14.8%と鉄道会社としては高い収益性を持ち、利回り3.3%、DOEの高さも備えています。数年の横ばいを経て増配が動き出した点も前向きな材料です。鉄道と不動産の投資が重く、FCFがマイナスになりやすい業態である点は特徴として押さえておきたいところ。利回り・財務・増配記録の3つをそろえて確かめてください。

6. よくある質問

九州旅客鉄道の株価は割安ですか、割高ですか?

配当利回りは3.33%で、過去5年平均の3.31%を上回る水準です。総合スコアによる区分は「対象外」です。売買を推奨するものではありません。

同社は何年連続で増配していますか?

2年連続で増配しています(株式分割調整後の1株配当ベース)。また4年間、配当を減らしていません。

同社の配当性向はどのくらいですか?

配当性向は約39%です。一般に30〜50%が無理のない理想帯とされます。

本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨・勧誘するものではありません。投資に関する最終的な判断は、ご自身の責任において行ってください。



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