【配当分析】京成電鉄(9009)配当分析|利回り1.63%

用語の解説(クリックで開く)
配当利回り
直近1年の配当金合計 ÷ 現在株価 × 100(%)。高いほどインカムが厚い目安。
配当性向
配当金 ÷ 当期純利益 × 100(%)。30〜50%が安心ゾーン。80%超は持続性に注意。
PER
株価 ÷ 1株利益。低いほど利益に対し割安とされる(業種差あり)。
PBR
株価 ÷ 1株純資産。1倍割れは資産に対し割安の目安(業種差あり)。
ROE
当期純利益 ÷ 自己資本 × 100(%)。資本効率の指標。10%以上なら優良の目安。
ROA
当期純利益 ÷ 総資産 × 100(%)。会社全体の資産効率。
DOE
配当金 ÷ 自己資本 × 100(%)。利益より変動しにくい自己資本が分母なので、配当の安定方針が読み取れる。日本企業はおおむね2〜4%、中央値は3%前後。
自社利回り比(sy)
現在利回り ÷ 過去5年平均利回り。1超なら自社の過去より割安な水準。
連続増配
分割調整済み配当が前年比で増えた年数。同額維持は非減配として別途カウント。
非減配
配当を減らしていない年数(増配または同額維持)。長いほど配当が安定。
自己資本
会社の資産のうち返済不要な株主のお金。純資産ともいう。
自己資本比率
自己資本 ÷ 総資産 × 100(%)。高いほど借金依存が低く財務が頑丈。
フリーキャッシュフロー
本業で稼いだ現金から投資を引いた残り。配当の原資。マイナス続きは要注意。
時価総額
株価 × 発行済株式数。会社の市場価値。大きいほど値動きが安定しやすい。
EPS
1株あたり利益。配当の元手。EPSが伸びれば増配余地も広がる。
BPS
1株あたり純資産。会社の解散価値の目安。
営業利益率
営業利益 ÷ 売上高 × 100(%)。本業の稼ぐ力。
5年平均利回り水準
配当利回りが過去5年平均に一致する株価。今の株価がこれより下なら、利回りは5年平均より高い。
5年最低利回り水準
配当利回りが過去5年の最低まで下がる株価。今の株価がこれより上なら、利回りは5年で最も低い側。
減配
配当を前年より減らすこと。配当株投資では最も避けたいイベント。

1. 企業概要

京成電鉄(9009)は成田空港へのアクセスを担う、陸運業の一社です。まず配当の輪郭を数字で押さえます。

項目
銘柄コード 9009
業種 陸運業
配当利回り(株価ベース) 1.63%
1株配当(最新期・分割調整済) 21.00円
総合判定 対象外
総合スコア 54.9
連続増配 0年
非減配 4年
配当性向 21.09%
PER / PBR 11.80 / 1.02
ROE 8.73%
DOE(株主資本配当率) 1.83%(業種中央値 1.74%)

京成電鉄の時価総額は約6,078億円。都心と成田空港を結ぶ路線を持ち、鉄道と沿線事業を営む会社です。

業績は回復してきました。1株利益は2023年度の53.92円から、174.97円、91.30円、そして2026年度は99.59円。空港需要とインバウンドの戻りが鉄道の稼ぎを押し上げた一方、年ごとの振れは大きめです。ROE8.7%で業種中央値7.7%を上回りました。

配当利回り1.63%と控えめです。利益の割に配当が小さく、利回りの薄さはそこに由来します。

2. 配当の魅力

利回りの水準と、配当の推移を順に見ます。手がかりは下の表とグラフです。

期間 最大 平均 最小
5年 2.01% 1.05% 0.47%
3年 2.01% 1.36% 0.53%
1年 2.01% 1.70% 1.48%
現在 1.63%
会計年度 1株配当(分割調整済) 配当性向 EPS
2022年3月期 5.67円 —% —円
2023年3月期 6.67円 12.37% 54円
2024年3月期 13.00円 7.43% 175円
2025年3月期 21.00円 23.00% 91円
2026年3月期 21.00円 21.09% 100円

DOEで見る減配しにくさ

DOEは配当÷自己資本。利益は年ごとにブレます。でも自己資本はそう簡単には減りません。だからDOEが高い会社ほど、業績が少し傾いても配当を保ちます。

この会社のDOEは1.83%と控えめです(業種中央値は1.74%)。還元の厚みはまだ薄い。これから増やす余地と見るか、還元に消極的と見るかは、業績の伸び次第です。

いまの利回りは1.63%。5年平均の1.05%より高い位置にいます。線が上のほうにあるときは、過去の自分と比べて株価が安い局面です。5年間の最高は2.01%でした。

直近1年の平均利回り(1.70%)が5年平均(1.05%)より高め。この1年は利回りの取りやすい時間帯が続いていた、と読めます。

棒グラフは数年で段を上げています。5.67円から21円へ水準を切り上げたあと、足元は21円で横ばい。増配が続くか、ここで一服するかが次の見どころです。

※連続増配・非減配の年数は自動算出値です。重要な投資判断の前には、企業のIR資料での確認を推奨します。

現在の配当利回りは1.63%。過去5年平均の1.05%を上回り、自社の履歴で見れば高めの位置にいます。

配当は数年で水準を切り上げました。1株配当は2022年度の5.67円から、6.67円、13.0円、21.0円と伸び、2026年度は21.0円で横ばい(分割調整後)。前年と同額のため連続増配の記録は途切れていますが、4年間減配はありません。

配当性向21.1%と低めです。利益に対して配当はまだ小さく、増やす余地は残っています。DOE1.83%で業種中央値1.74%をわずかに上回りました。

※連続増配・非減配の年数は自動算出値です。大きな判断の前には、企業のIR資料でも確かめてください。

3. 業績と財務の安定性

配当を支える稼ぐ力と、財務の余力を確認します。

指標
ROE 8.73%
ROA 4.06%
DOE 1.83%
自己資本比率 48.71%
EPS / BPS 100 / 1157
収益性スコア 1.38
還元スコア 0.88
割安スコア 1.05

自己資本比率48.7%。鉄道会社としては厚めの資本を持っています。ROEは8.7%ROA4.1%営業利益率10.2%で、いずれも業種中央値を上回りました。

売上は前期比4.1%の伸び。一方で1株利益は前年比で30.6%減りました。前々年に大きく膨らんだ利益からの反動で、利益の年ごとの振れが目立ちます。

フリーキャッシュフローはマイナスでした。鉄道の設備投資が重い事業構造の影響が大きく、本システムはこのFCFマイナスを足切り条件として、総合判定を対象外に置いています。なお京成は他社株式を含む資産を持ちますが、本レポートは配当・財務の数値に絞って見ています。

4. 割安度

PER11.8倍PBR1.02倍。PBRは業種中央値0.96倍をやや上回り、株価は解散価値の近くにあります。

自社の過去と比べると、利回りは高い側です。現在利回り1.63%を5年平均1.05%で割った自社利回り比1.55。1を大きく超えており、過去の自分と照らせば利回りは取りやすい局面にいます。

もっとも本システムの判定はFCFマイナスで対象外です。利回りの水準そのものは薄いので、割安度の区分としては参考程度に見てください。

過去5年の配当利回りレンジを、株価の水準に置き換えたものです。いまの株価がそのレンジのどこにあるかを示します。前提は「配当が今の水準を保つこと」で、業績の変化は織り込んでいません。売買を推奨するものではありません。

区分 株価水準(対応利回り)
現在株価 1286円(利回り1.63%)
5年平均利回りに戻る株価 2000円(利回り1.05%)
5年最高利回り時の株価 1045円(利回り2.01%)
5年最低利回り時の株価 4468円(利回り0.47%)

いまの株価は2000円(利回りが5年平均に戻る水準)を下回っています。利回りは5年平均より高く、過去のレンジでは株価が低い側にあります。

株価1,286円は、利回りが5年平均に一致する2,000円を下回っています。過去5年の利回りで見れば、株価は低い側です。売買を推奨するものではありません。

5. 総合判断

総合判定: 対象外(スコア 54.9)

配当性向超過・FCFマイナス・データ欠損など、本システムの足切り条件に該当しました。参考情報としてご覧ください。

判定根拠:
FCFマイナス

総合判定は対象外です。フリーキャッシュフローがマイナスで、本システムの足切り条件に該当しました。

配当性向は2割程度と低く、増配の余地は残っています。ただ足元の配当は前年と同額で、増配の記録はいったん途切れました。利益の振れが大きい点、鉄道の投資でFCFがマイナスになりやすい点は、この事業の特徴として押さえておきたいところです。利回りは1.63%と薄いので、配当の厚みより資産や成長を見る一社になります。利回り・財務・配当記録をそろえて確かめてください。

6. よくある質問

京成電鉄の株価は割安ですか、割高ですか?

配当利回りは1.63%で、過去5年平均の1.05%を上回る水準です。総合スコアによる区分は「対象外」です。売買を推奨するものではありません。

同社の配当性向はどのくらいですか?

配当性向は約21%です。一般に30〜50%が無理のない理想帯とされます。

本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨・勧誘するものではありません。投資に関する最終的な判断は、ご自身の責任において行ってください。



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