【高配当】三井物産(8031)配当分析|利回り2.32%・4年連続増配

用語の解説(クリックで開く)
配当利回り
直近1年の配当金合計 ÷ 現在株価 × 100(%)。高いほどインカムが厚い目安。
配当性向
配当金 ÷ 当期純利益 × 100(%)。30〜50%が安心ゾーン。80%超は持続性に注意。
PER
株価 ÷ 1株利益。低いほど利益に対し割安とされる(業種差あり)。
PBR
株価 ÷ 1株純資産。1倍割れは資産に対し割安の目安(業種差あり)。
ROE
当期純利益 ÷ 自己資本 × 100(%)。資本効率の指標。10%以上なら優良の目安。
ROA
当期純利益 ÷ 総資産 × 100(%)。会社全体の資産効率。
DOE
配当金 ÷ 自己資本 × 100(%)。利益より変動しにくい自己資本が分母なので、配当の安定方針が読み取れる。日本企業はおおむね2〜4%、中央値は3%前後。
自社利回り比(sy)
現在利回り ÷ 過去5年平均利回り。1超なら自社の過去より割安な水準。
連続増配
分割調整済み配当が前年比で増えた年数。同額維持は非減配として別途カウント。
非減配
配当を減らしていない年数(増配または同額維持)。長いほど配当が安定。
自己資本
会社の資産のうち返済不要な株主のお金。純資産ともいう。
自己資本比率
自己資本 ÷ 総資産 × 100(%)。高いほど借金依存が低く財務が頑丈。
フリーキャッシュフロー
本業で稼いだ現金から投資を引いた残り。配当の原資。マイナス続きは要注意。
時価総額
株価 × 発行済株式数。会社の市場価値。大きいほど値動きが安定しやすい。
EPS
1株あたり利益。配当の元手。EPSが伸びれば増配余地も広がる。
BPS
1株あたり純資産。会社の解散価値の目安。
営業利益率
営業利益 ÷ 売上高 × 100(%)。本業の稼ぐ力。
5年平均利回り水準
配当利回りが過去5年平均に一致する株価。今の株価がこれより下なら、利回りは5年平均より高い。
5年最低利回り水準
配当利回りが過去5年の最低まで下がる株価。今の株価がこれより上なら、利回りは5年で最も低い側。
減配
配当を前年より減らすこと。配当株投資では最も避けたいイベント。

1. 企業概要

三井物産(8031)は卸売業の企業です。まずは配当の全体像を数字で押さえましょう。

項目値
銘柄コード8031
業種卸売業
配当利回り(株価ベース)2.32%
1株配当(最新期・分割調整済)115.00円
総合判定対象外
総合スコア67.5
連続増配4年
非減配4年
配当性向39.50%
PER / PBR20.47 / 1.93
ROE10.22%
DOE(株主資本配当率)3.87%(業種中央値 2.66%)

三井物産は総合商社の一角で、金属資源やエネルギー、機械・インフラ、化学品、食料、流通事業まで幅広く手がけます。時価総額は約17兆円。三菱商事に次ぐ規模で、伊藤忠商事や住友商事と並ぶ業界大手です。

ROEは10.22%。業種(卸売業)中央値の7.78%を上回り、資本を使って稼ぐ力は同業の中でも高い部類に入ります。自己資本比率は42.11%で、資源価格の変動を受けやすい商社としては手堅い水準です。株価はPER20.47倍・PBR1.93倍で取引されています。

資源権益や事業投資を積み上げてきたビジネスモデルなので、利益の大きさだけでなく、稼いだキャッシュをどう配分しているかも見る価値があります。次の章で配当の実績を見ていきます。

2. 配当の魅力

配当利回りの水準と、増配・非減配の記録を見ていきます。下の表とグラフが手がかりです。

期間最大平均最小
5年5.71%3.65%1.74%
3年4.77%3.10%1.74%
1年3.88%2.59%1.74%
現在2.32%——
会計年度1株配当(分割調整済)配当性向EPS
2022年3月期52.50円37.39%140円
2023年3月期70.00円38.79%180円
2024年3月期85.00円48.19%176円
2025年3月期100.00円32.60%307円
2026年3月期115.00円39.50%291円

DOEで見る減配しにくさ

DOEは配当÷自己資本。利益は年ごとにブレます。でも自己資本はそう簡単には減りません。だからDOEが高い会社ほど、業績が少し傾いても配当を保ちます。

この会社のDOEは3.87%。全国の中央値3%を超え、業種中央値は2.66%も上回ります。自己資本にしっかり配当を回す会社です。少しくらい業績が落ちても、配当はそう簡単に減りません。

いまの利回りは2.32%。5年平均の3.65%より低い位置にいます。株価が買われて利回りが薄まっている状態で、5年間の最高は5.71%でした。

直近1年の平均利回り(2.59%)は5年平均(3.65%)より低め。ここ数年は株高が続き、利回りが縮んでいる時期だったと読めます。

1株配当は2022年の52.5円から2026年予想115円まで、4年でほぼ倍増しています。棒グラフが右肩上がりに伸びているのが分かります。

※連続増配・非減配の年数は自動算出値です。重要な投資判断の前には、企業のIR資料での確認を推奨します。

現在の配当利回りは2.32%です。過去5年平均の3.65%より低く、直近1年平均も2.59%にとどまります。株価が配当の伸び以上に上がってきたことが、利回りを押し下げています。実際、5年間の利回りレンジは最大5.71%・最小1.74%と幅が広く、資源価格が調整した局面では利回りが跳ね上がる銘柄です。

1株配当は2022年の52.5円から2026年予想の115円まで、4年で2倍以上に増えました。連続増配は4年、非減配も4年続いています。※連続増配・非減配の年数は自動算出値です。重要な投資判断の前には、企業のIR資料での確認を推奨します。

DOEは配当÷自己資本。利益は年ごとにブレますが、自己資本はそう簡単には減りません。三井物産のDOEは3.87%で、全国の中央値3%も業種中央値の2.66%も上回ります。資源価格が振れても配当を急に削りにくい、還元姿勢の厚い会社だと数字が示しています。

3. 業績と財務の安定性

配当を支える収益力と財務の健全性を確認します。

指標値
ROE10.22%
ROA4.01%
DOE3.87%
自己資本比率42.11%
EPS / BPS291 / 3094
収益性スコア1.21
還元スコア1.23
割安スコア—

ROAは4.01%で、業種中央値3.59%をわずかに上回ります。総資産全体でみても収益効率は業界平均より良好です。EPSは291.12円、BPSは3,093.56円。自己資本比率42.11%は、資源・エネルギー権益を多く抱える商社としては厚みのある部類です。

一方でフリーキャッシュフローはマイナス806億円でした。資源開発や事業投資に資金を投じる年は、営業キャッシュフローを投資が上回ってFCFが赤字になることがあります。三井物産に限らず、総合商社ではよく見られる動きです。この一点が、後述するスコアで「対象外」に分類される主因になっています。

収益性そのものはROE・ROAとも業種平均を上回っており、財務の土台が弱いわけではありません。投資サイクルの中のどの局面にいるかを、決算資料で確認する価値はあります。

4. 割安度

総合スコアによる区分は「対象外」です。フリーキャッシュフローがマイナスだったため、本システムの足切り条件に該当しました。自社利回り比(sy)は0.64で、今の利回り2.32%は過去5年平均3.65%より低い、つまり株価は自社の過去水準と比べて高い側にあります。

株価水準で見ると、現在の4,966円に対し、利回りが5年平均に戻る株価は3,150.7円。今の株価はここから約36.6%下がった水準にあたります。5年で最も利回りが低かった時の株価水準は6,609.2円で、現在地はこの間にあります。売買を推奨するものではありませんが、自社の過去レンジのどのあたりにいるかの参考にしてください。

過去5年の配当利回りレンジを、株価の水準に置き換えたものです。いまの株価がそのレンジのどこにあるかを示します。前提は「配当が今の水準を保つこと」で、業績の変化は織り込んでいません。売買を推奨するものではありません。

区分株価水準(対応利回り)
現在株価4966円(利回り2.32%)
5年平均利回りに戻る株価3151円(利回り3.65%)
5年最高利回り時の株価2014円(利回り5.71%)
5年最低利回り時の株価6609円(利回り1.74%)

いまの株価は3151円(5年平均利回り水準)と6609円(5年最低利回り水準)のあいだにあります。利回りが5年平均に戻るには、株価が約36.6%下がる計算です。

株価は3,150.7円(5年平均利回り水準)と6,609.2円(5年最低利回り水準)のあいだにあります。過去5年の利回りレンジで見れば、株価はやや高い側です。

5. 総合判断

総合判定: 対象外(スコア 67.5)

配当性向超過・FCFマイナス・データ欠損など、本システムの足切り条件に該当しました。参考情報としてご覧ください。

判定根拠:
FCFマイナス
+ ROE10%以上の高収益
+ 3年連続増配
+ DOE2%以上かつ業種平均以上(還元姿勢良好)

総合スコアは67.5点ですが、判定は「対象外」です。ROE10%以上の高い収益性、4年連続の増配、DOEが業種平均を上回る還元姿勢という加点材料がありながら、フリーキャッシュフローのマイナスという足切り条件に引っかかりました。

異常値の検知はありません。減配の実績もなく、配当そのものの記録は良好です。判断材料としては、資源投資サイクルの中でのキャッシュフローの動きを、今後の決算で追いかけることになります。

6. よくある質問

三井物産の株価は割安ですか、割高ですか?

配当利回りは2.32%で、過去5年平均の3.65%を下回る水準です。総合スコアによる区分は「対象外」です。売買を推奨するものではありません。

同社は何年連続で増配していますか?

4年連続で増配しています(株式分割調整後の1株配当ベース)。また4年間、配当を減らしていません。

同社の配当性向はどのくらいですか?

配当性向は約40%です。一般に30〜50%が無理のない理想帯とされます。

本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨・勧誘するものではありません。投資に関する最終的な判断は、ご自身の責任において行ってください。

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