【連続増配】東京エレクトロン(8035)利回り0.88%・連続増配株は今買い?配当分析

用語の解説(クリックで開く)
配当利回り
直近1年の配当金合計 ÷ 現在株価 × 100(%)。高いほどインカムが厚い目安。
配当性向
配当金 ÷ 当期純利益 × 100(%)。50%前後が一般的。80%超は持続性に注意。
PER
株価 ÷ 1株利益。低いほど利益に対し割安とされる(業種差あり)。
PBR
株価 ÷ 1株純資産。1倍割れは資産に対し割安の目安(業種差あり)。
ROE
当期純利益 ÷ 自己資本 × 100(%)。資本効率の指標。
DOE
配当金 ÷ 自己資本 × 100(%)。自己資本に対する還元の厚さ。
自社利回り比(sy)
現在利回り ÷ 過去5年平均利回り。1未満は株価上昇で利回りが相対的に低下。
連続増配
分割調整済み配当が前年比で増えた年数。同額維持は非減配として別途カウント。

1. 企業概要

半導体をつくる装置で世界の最前線に立つ、東京エレクトロン。桁違いの稼ぐ力を持つこの会社の配当を、まずは全体像から見ていきます。

項目
銘柄コード 8035
業種 電気機器
配当利回り(株価ベース) 0.88%
1株配当(最新期・分割調整済) 628.00円
総合判定 中立
総合スコア 122.8
連続増配 2年
非減配 2年
配当性向 50.06%
PER / PBR 29.68 / 8.28
ROE 29.27%

東京エレクトロンは、半導体製造装置で世界トップクラスのメーカーです。とりわけコーター/デベロッパー(塗布現像装置)では世界シェア9割超という圧倒的な地位を築き、エッチングや成膜でも高い競争力を誇ります。半導体という現代文明の心臓部をつくる「装置」を供給する立場——AI・データセンター・EVと、需要の源泉は尽きません。ROE29%という数字が、その事業の質を雄弁に物語っています。

2. 配当の魅力

利回りと配当の推移を、表とグラフで確認します。派手な利回りではありませんが、その背景にある「稼ぐ力」に注目してください。

期間 最大 平均 最小
5年 5.26% 2.60% 0.80%
3年 3.75% 2.05% 0.80%
1年 3.21% 1.84% 0.80%
現在 0.88%
会計年度 1株配当(分割調整済) 配当性向 EPS
2017年3月期 117.33円 50.12% 234円
2018年3月期 208.00円 50.10% 415円
2019年3月期 252.67円 50.08% 505円
2020年3月期 196.00円 50.23% 390円
2021年3月期 260.33円 49.99% 521円
2022年3月期 467.67円 49.97% 936円
2023年3月期 570.33円 169.77% 336円
2024年3月期 393.00円 50.14% 784円
2025年3月期 592.00円 50.07% 1182円
2026年3月期 628.00円 50.06% 1254円

※連続増配・非減配の年数は自動算出値です。重要な投資判断の前には、企業のIR資料での確認を推奨します。

配当方針は配当性向50%を基準とする利益連動型で、直近の配当性向も50.1%とその通りに運用されています。分割調整後の1株配当は長期で大きく伸びてきましたが、2024年3月期は半導体市況の調整を受けて一度減額——利益に正直な配当だからこそ、市況の谷では配当も一緒に沈みます。直近は592円、628円へと力強く回復しています。利回り0.88%という水準は低く見えますが、これは株価が将来の成長を高く織り込んでいる裏返しでもあります。

3. 業績と財務の安定性

この会社の真骨頂は、圧倒的な収益性です。数字で確かめていきましょう。

指標
ROE 29.27%
ROA 20.08%
自己資本比率 72.35%
EPS / BPS 1255 / 4499
収益性スコア 4.07
還元スコア 3.01
割安スコア 2.23

ROE29.3%、ROA20.1%——本レポート対象の中でも図抜けた収益性です。自己資本比率も72.4%と財務は盤石で、EPSは1,255円に達します。装置1台あたりの付加価値が極めて高く、少ない資産で莫大な利益を生み出す——これこそが、世界の半導体メーカーが同社の装置を選び続ける理由であり、株主還元の原資でもあります。

4. 割安度(買い時か)

PERは29.7倍、PBRは8.28倍と、高い成長期待をたっぷり織り込んだプレミアム評価です。自社利回り比は0.29と極めて低く、株価の上昇に配当が追いつかず、利回り面での割安感はまったくありません。市場はすでに東京エレクトロンの質の高さを株価に反映しています。「割安な配当株」を探す対象というより、成長そのものを買う銘柄です。

過去5年の配当利回りのレンジから、株価の買い時・売り時の目安を機械的に示したものです(配当が今の水準を保つ前提の簡易ガイドで、業績変化は織り込みません)。

区分 株価水準(対応利回り)
現在株価 71060円(利回り0.88%)
買い目安(5年平均利回り) 24154円(利回り2.60%)
強い買い目安(5年最高利回り) 11939円(利回り5.26%)
売り目安(5年最低利回り) 78500円(利回り0.80%)

現在株価は買い目安(24154円)と売り目安(78500円)の間にある中立圏です。買い目安まではあと約66.0%の下落余地。利回りの妙味を重視するなら、買い目安への接近を待つ判断も理にかないます。

5. 総合判断

総合判定: 中立(スコア 122.8)

明確な買いシグナルも売りシグナルも弱く、現状維持・様子見が妥当な水準です。利回りだけでなく財務・増配記録を総合して判断してください。

判定根拠: 割安感が乏しい/自社平均より低利回り

総合スコア122.8は本レポート対象でも最上位級。ROE29%・世界的競争力という企業の質は文句なしです。それでも判定は「中立」。理由は明快で、利回り0.88%・PBR8倍超という評価では配当妙味が乏しく、配当も市況次第で振れるからです。半導体の長期成長に賭け、株価変動を受け止められる投資家には魅力的ですが、インカム目的で今の株価に飛び込む局面ではない——それが数字の示す結論です。

本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨・勧誘するものではありません。投資に関する最終的な判断は、ご自身の責任において行ってください。


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