用語の解説(クリックで開く)
- 配当利回り
- 直近1年の配当金合計 ÷ 現在株価 × 100(%)。高いほどインカムが厚い目安。
- 配当性向
- 配当金 ÷ 当期純利益 × 100(%)。50%前後が一般的。80%超は持続性に注意。
- PER
- 株価 ÷ 1株利益。低いほど利益に対し割安とされる(業種差あり)。
- PBR
- 株価 ÷ 1株純資産。1倍割れは資産に対し割安の目安(業種差あり)。
- ROE
- 当期純利益 ÷ 自己資本 × 100(%)。資本効率の指標。
- DOE
- 配当金 ÷ 自己資本 × 100(%)。自己資本に対する還元の厚さ。
- 自社利回り比(sy)
- 現在利回り ÷ 過去5年平均利回り。1未満は株価上昇で利回りが相対的に低下。
- 連続増配
- 分割調整済み配当が前年比で増えた年数。同額維持は非減配として別途カウント。
1. 企業概要
世界中に「遊び」を届ける任天堂。ゲーム機とキャラクターで独自の地位を築くこの会社の配当を、全体像から見ていきます。
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 銘柄コード | 7974 |
| 業種 | その他製品 |
| 配当利回り(株価ベース) | 3.08% |
| 1株配当(最新期・分割調整済) | 219.00円 |
| 総合判定 | 中立 |
| 総合スコア | 99.6 |
| 連続増配 | 1年 |
| 非減配 | 1年 |
| 配当性向 | 60.08% |
| PER / PBR | 24.07 / 3.42 |
| ROE | 14.93% |
任天堂は、家庭用ゲーム機とソフト、そしてマリオ・ゼルダ・ポケモンといった世界的IPを持つエンターテインメント企業です。Switchで世界的な成功を収め、いまや映画・テーマパークへとIPの活躍の場を広げています。ヒットの波はあるものの、一度築いたキャラクター資産は色褪せない——そして自己資本比率77.7%・実質無借金という、堅牢すぎるほどの財務がその挑戦を支えます。
2. 配当の魅力
利回りと配当の推移を、表とグラフで確認します。利益連動ならではの振れ方と、現在の利回り水準に注目してください。
| 期間 | 最大 | 平均 | 最小 |
|---|---|---|---|
| 5年 | 4.72% | 2.83% | 1.05% |
| 3年 | 3.70% | 2.17% | 1.05% |
| 1年 | 3.32% | 2.22% | 1.53% |
| 現在 | 3.08% | — | — |
| 会計年度 | 1株配当(分割調整済) | 配当性向 | EPS |
|---|---|---|---|
| 2017年3月期 | 43.00円 | 50.36% | 85円 |
| 2018年3月期 | 59.00円 | 50.76% | 116円 |
| 2019年3月期 | 81.00円 | 50.14% | 162円 |
| 2020年3月期 | 109.00円 | 50.20% | 217円 |
| 2021年3月期 | 222.00円 | 55.05% | 403円 |
| 2022年3月期 | 203.00円 | 50.16% | 405円 |
| 2023年3月期 | 186.00円 | —% | —円 |
| 2024年3月期 | 211.00円 | 50.07% | 421円 |
| 2025年3月期 | 120.00円 | 50.11% | 239円 |
| 2026年3月期 | 219.00円 | 60.08% | 365円 |
※連続増配・非減配の年数は自動算出値です。重要な投資判断の前には、企業のIR資料での確認を推奨します。
任天堂の配当は、連結配当性向50%を基準とする明確な利益連動型です。そのため1株配当は年ごとに上下します——ヒット作の有無で利益が振れれば、配当も素直に振れる。派手な連続増配記録にはなりにくい設計です。それでも現在の利回りは3.08%と本レポートでも高い部類で、しかも自社利回り比は0.94。株価が調整し、利回りが自社の過去平均並みまで戻ってきた、比較的入りやすい水準にあることを示しています。
3. 業績と財務の安定性
その配当の余力を生む、稼ぐ力と鉄壁の財務を見ていきます。
| 指標 | 値 |
|---|---|
| ROE | 14.93% |
| ROA | 11.14% |
| 自己資本比率 | 77.66% |
| EPS / BPS | 365 / 2562 |
| 収益性スコア | 3.06 |
| 還元スコア | 2.55 |
| 割安スコア | 1.99 |
ROE14.9%、ROA11.1%と収益性は良好で、自己資本比率は77.7%。手元資金も潤沢で、実質無借金の超健全体質です。EPSは365円。ヒットの波で利益は変動しますが、この分厚い財務クッションがあるからこそ、不振の年でも配当を大きく崩さずに済む——変動業種における、何よりの安全弁です。
4. 割安度(買い時か)
PERは24.1倍、PBRは3.42倍。世界的IPと高い収益性を織り込んだ、相応の評価です。自社利回り比0.94は、現在の利回りが自社の過去水準にほぼ並ぶことを意味し、割高でも割安でもない中庸圏。過熱感は薄れ、落ち着いて検討できる水準まで戻ってきたと捉えられます。
過去5年の配当利回りのレンジから、株価の買い時・売り時の目安を機械的に示したものです(配当が今の水準を保つ前提の簡易ガイドで、業績変化は織り込みません)。
| 区分 | 株価水準(対応利回り) |
|---|---|
| 現在株価 | 7120円(利回り3.08%) |
| 買い目安(5年平均利回り) | 7738円(利回り2.83%) |
| 強い買い目安(5年最高利回り) | 4640円(利回り4.72%) |
| 売り目安(5年最低利回り) | 20857円(利回り1.05%) |
現在株価は買い目安(7738円)を下回っており、利回りは自社の5年平均を上回る割安圏にあります。過去の水準に照らせば、インカム狙いで検討しやすい株価です。
5. 総合判断
総合判定: 中立(スコア 99.6)
明確な買いシグナルも売りシグナルも弱く、現状維持・様子見が妥当な水準です。利回りだけでなく財務・増配記録を総合して判断してください。
判定根拠: 割安感が乏しい
総合スコア99.6と総合力は高く、利回り3.08%・鉄壁財務・自社利回り比0.94と、条件は悪くありません。判定は「中立」ですが、利回りが自社平均並みまで戻った今は、これまでより検討しやすい局面といえます。留意点は、配当が利益連動である以上、次世代機の成否で利益とともに配当も振れること。世界的IPの長期価値を信じ、その変動を受け止められる投資家にとっては、目を配る価値のある一社です。
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨・勧誘するものではありません。投資に関する最終的な判断は、ご自身の責任において行ってください。

