【連続増配】日本ペイント(4612)配当分析|利回り1.29%・3年連続増配

用語の解説(クリックで開く)
配当利回り
直近1年の配当金合計 ÷ 現在株価 × 100(%)。高いほどインカムが厚い目安。
配当性向
配当金 ÷ 当期純利益 × 100(%)。30〜50%が安心ゾーン。80%超は持続性に注意。
PER
株価 ÷ 1株利益。低いほど利益に対し割安とされる(業種差あり)。
PBR
株価 ÷ 1株純資産。1倍割れは資産に対し割安の目安(業種差あり)。
ROE
当期純利益 ÷ 自己資本 × 100(%)。資本効率の指標。10%以上なら優良の目安。
ROA
当期純利益 ÷ 総資産 × 100(%)。会社全体の資産効率。
DOE
配当金 ÷ 自己資本 × 100(%)。利益より変動しにくい自己資本が分母なので、配当の安定方針が読み取れる。日本企業はおおむね2〜4%、中央値は3%前後。
自社利回り比(sy)
現在利回り ÷ 過去5年平均利回り。1超なら自社の過去より割安な水準。
連続増配
分割調整済み配当が前年比で増えた年数。同額維持は非減配として別途カウント。
非減配
配当を減らしていない年数(増配または同額維持)。長いほど配当が安定。
自己資本
会社の資産のうち返済不要な株主のお金。純資産ともいう。
自己資本比率
自己資本 ÷ 総資産 × 100(%)。高いほど借金依存が低く財務が頑丈。
フリーキャッシュフロー
本業で稼いだ現金から投資を引いた残り。配当の原資。マイナス続きは要注意。
時価総額
株価 × 発行済株式数。会社の市場価値。大きいほど値動きが安定しやすい。
EPS
1株あたり利益。配当の元手。EPSが伸びれば増配余地も広がる。
BPS
1株あたり純資産。会社の解散価値の目安。
営業利益率
営業利益 ÷ 売上高 × 100(%)。本業の稼ぐ力。
5年平均利回り水準
配当利回りが過去5年平均に一致する株価。今の株価がこれより下なら、利回りは5年平均より高い。
5年最低利回り水準
配当利回りが過去5年の最低まで下がる株価。今の株価がこれより上なら、利回りは5年で最も低い側。
減配
配当を前年より減らすこと。配当株投資では最も避けたいイベント。

1. 企業概要

日本ペイントホールディングス(4612)は塗料を世界で展開する、化学セクターの一社です。まず配当の輪郭を数字で押さえます。

項目
銘柄コード 4612
業種 化学
配当利回り(株価ベース) 1.29%
1株配当(最新期・分割調整済) 16.00円
総合判定 対象外
総合スコア 53.3
連続増配 3年
非減配 3年
配当性向 20.87%
PER / PBR 13.70 / 1.36
ROE 10.60%
DOE(株主資本配当率) 2.10%(業種中央値 2.48%)

日本ペイントの時価総額は約2兆4,896億円。塗料メーカーとして国内外に事業を広げてきた会社です。

稼ぐ力は業種のなかで上位にいます。ROE10.6%で業種中央値6.5%を上回り、営業利益率14.5%、中央値6.8%の2倍強。1株利益はこの4年で30.74円から76.66円まで伸びました。成長の勢いは数字にはっきり出ています。

ただ配当利回り1.29%と控えめです。株価が利益の伸びを先に織り込んできたぶん、利回りは薄くなりました。成長を買う銘柄であって、利回りで持つ銘柄ではない、という立ち位置です。

2. 配当の魅力

利回りの水準と、増配の記録を順に見ます。手がかりは下の表とグラフです。

期間 最大 平均 最小
5年 2.00% 1.34% 0.72%
3年 2.00% 1.53% 1.23%
1年 1.70% 1.55% 1.26%
現在 1.29%
会計年度 1株配当(分割調整済) 配当性向 EPS
2022年6月期 10.00円 32.53% 31円
2023年6月期 12.00円 27.75% 43円
2024年6月期 15.00円 27.99% 54円
2025年6月期 16.00円 20.87% 77円

DOEで見る減配しにくさ

DOEは配当÷自己資本。利益は年ごとにブレます。でも自己資本はそう簡単には減りません。だからDOEが高い会社ほど、業績が少し傾いても配当を保ちます。

この会社のDOEは2.10%(業種中央値は2.48%)。日本企業の目安2〜4%にきれいに収まります。配当方針は安定寄りです。

いまの利回りは1.29%で、5年平均の1.34%をわずかに下回っています。株価が買われて利回りが薄まっている状態です。5年間の最高でも2.00%どまりで、もともと利回りは高くないタイプです。

直近1年の平均利回り(1.55%)は5年平均(1.34%)より高め。この1年は株価が調整し、利回りがやや戻っていた時間帯があった、と読めます。

3年連続で増配中。棒グラフはゆるやかな右肩上がりです。10円から16円へ、利益の伸びに合わせて配当も積み上がってきました。

※連続増配・非減配の年数は自動算出値です。重要な投資判断の前には、企業のIR資料での確認を推奨します。

現在の配当利回りは1.29%。過去5年平均の1.34%とほぼ同じで、水準としては高くありません。

増配は続いています。1株配当は2022年度の10円から、12円、15円、そして2025年度は16円へ。3年連続の増配で、この間に減配はありません。配当性向20.9%にとどまり、利益の伸びしろに対して配当はまだ小さめです。増やす余地は残っています。

減配のしにくさを測るDOE2.10%。業種中央値2.48%をわずかに下回りました。全国の目安2〜4%の範囲には入っています。

連続増配非減配の年数は自動算出値です。大きな判断の前には、企業のIR資料でも確かめてください。

3. 業績と財務の安定性

配当を支える稼ぐ力と、財務の余力を確認します。

指標
ROE 10.60%
ROA 4.48%
DOE 2.10%
自己資本比率 44.90%
EPS / BPS 77 / 775
収益性スコア 1.63
還元スコア 0.77
割安スコア 1.69

自己資本比率44.9%ROA4.5%で業種中央値3.9%を上回り、営業利益率14.5%とあわせて収益性は良好です。

売上は前期比で8.3%伸び、1株利益は前期から大きく増えて76.66円に達しました。成長企業らしい数字がそろっています。

一方でフリーキャッシュフローはマイナスでした。買収や設備への投資が先行し、稼いだ現金が手元に残りにくい局面にあります。本システムはこのFCFマイナスを足切り条件とし、総合判定を対象外に置いています。成長のための投資と読むこともできますが、配当の原資という観点では注意しておきたい点です。

4. 割安度

PER13.7倍PBR1.36倍。PBRは業種中央値0.80倍を上回り、株価には成長への期待が乗っています。

自社の過去と比べると、利回りはほぼ平均どおりです。現在利回り1.29%を5年平均1.34%で割った自社利回り比0.96。1を少し下回り、過去の自分と照らせば株価はやや高い側にいます。

割高スコア自体は極端ではありませんが、利回りの薄さと投資先行のキャッシュフローを踏まえ、割安度の区分は対象外としています。

過去5年の配当利回りレンジを、株価の水準に置き換えたものです。いまの株価がそのレンジのどこにあるかを示します。前提は「配当が今の水準を保つこと」で、業績の変化は織り込んでいません。売買を推奨するものではありません。

区分 株価水準(対応利回り)
現在株価 1238円(利回り1.29%)
5年平均利回りに戻る株価 1194円(利回り1.34%)
5年最高利回り時の株価 800円(利回り2.00%)
5年最低利回り時の株価 2222円(利回り0.72%)

いまの株価は1194円(5年平均利回り水準)と2222円(5年最低利回り水準)のあいだにあります。利回りが5年平均に戻るには、株価が約3.6%下がる計算です。

株価1,239円は、利回りが5年平均に一致する1,194円をやや上回っています。過去5年の利回りで見れば、株価は高い側です。売買を推奨するものではありません。

5. 総合判断

総合判定: 対象外(スコア 53.3)

配当性向超過・FCFマイナス・データ欠損など、本システムの足切り条件に該当しました。参考情報としてご覧ください。

判定根拠:
FCFマイナス
+ ROE10%以上の高収益
+ 3年連続増配

総合判定は対象外です。フリーキャッシュフローがマイナスで、本システムの足切り条件に該当しました。

もっとも中身は悪くありません。ROE10.6%の高収益、3年連続増配、伸び続ける1株利益。投資が先行してFCFがマイナスになっている面が大きく、事業そのものの評価とは分けて見るべきです。利回りは1.29%と薄いので、配当目当てよりは利益成長を追う人向きの一社です。利回り・財務・増配記録をそろえて確かめてください。

6. よくある質問

日本ペイントホールディングスの株価は割安ですか、割高ですか?

配当利回りは1.29%で、過去5年平均の1.34%を下回る水準です。総合スコアによる区分は「対象外」です。売買を推奨するものではありません。

同社は何年連続で増配していますか?

3年連続で増配しています(株式分割調整後の1株配当ベース)。また3年間、配当を減らしていません。

同社の配当性向はどのくらいですか?

配当性向は約21%です。一般に30〜50%が無理のない理想帯とされます。

本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨・勧誘するものではありません。投資に関する最終的な判断は、ご自身の責任において行ってください。



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