用語の解説(クリックで開く)
- 配当利回り
- 直近1年の配当金合計 ÷ 現在株価 × 100(%)。高いほどインカムが厚い目安。
- 配当性向
- 配当金 ÷ 当期純利益 × 100(%)。50%前後が一般的。80%超は持続性に注意。
- PER
- 株価 ÷ 1株利益。低いほど利益に対し割安とされる(業種差あり)。
- PBR
- 株価 ÷ 1株純資産。1倍割れは資産に対し割安の目安(業種差あり)。
- ROE
- 当期純利益 ÷ 自己資本 × 100(%)。資本効率の指標。
- DOE
- 配当金 ÷ 自己資本 × 100(%)。自己資本に対する還元の厚さ。
- 自社利回り比(sy)
- 現在利回り ÷ 過去5年平均利回り。1未満は株価上昇で利回りが相対的に低下。
- 連続増配
- 分割調整済み配当が前年比で増えた年数。同額維持は非減配として別途カウント。
1. 企業概要
半導体の「最上流」と医療、両方で世界と戦うHOYA。知る人ぞ知る超高収益企業の配当を、全体像から見ていきます。
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 銘柄コード | 7741 |
| 業種 | 精密機器 |
| 配当利回り(株価ベース) | 1.19% |
| 1株配当(最新期・分割調整済) | 295.00円 |
| 総合判定 | 中立 |
| 総合スコア | 134.8 |
| 連続増配 | 2年 |
| 非減配 | 16年 |
| 配当性向 | 39.65% |
| PER / PBR | 35.70 / 8.73 |
| ROE | 25.21% |
HOYAは、半導体・電子分野と、メガネレンズや内視鏡などのライフケア分野の二本柱を持つ光学技術の企業です。とりわけ最先端半導体に不可欠な「マスクブランクス」やHDD用ガラス基板では世界を独占的にリードし、EUV露光時代の要となる存在。派手さはありませんが、代替の効かないニッチ市場を押さえる——だからこそROE25%という驚異的な収益性を実現しています。
2. 配当の魅力
利回りと配当の記録を、表とグラフで確認します。減配のない安定した歩みと、直近の大幅増配に注目してください。
| 期間 | 最大 | 平均 | 最小 |
|---|---|---|---|
| 5年 | 2.06% | 0.92% | 0.57% |
| 3年 | 2.06% | 1.02% | 0.57% |
| 1年 | 1.73% | 1.24% | 0.98% |
| 現在 | 1.19% | — | — |
| 会計年度 | 1株配当(分割調整済) | 配当性向 | EPS |
|---|---|---|---|
| 2017年3月期 | 75.00円 | 33.79% | 222円 |
| 2018年3月期 | 75.00円 | 29.02% | 258円 |
| 2019年3月期 | 90.00円 | 27.99% | 322円 |
| 2020年3月期 | 90.00円 | 29.68% | 303円 |
| 2021年3月期 | 90.00円 | 26.80% | 336円 |
| 2022年3月期 | 110.00円 | 24.64% | 446円 |
| 2023年3月期 | 110.00円 | 23.42% | 470円 |
| 2024年3月期 | 110.00円 | 21.34% | 515円 |
| 2025年3月期 | 160.00円 | 27.52% | 581円 |
| 2026年3月期 | 295.00円 | 39.65% | 744円 |
※連続増配・非減配の年数は自動算出値です。重要な投資判断の前には、企業のIR資料での確認を推奨します。
非減配16年——長期にわたり一度も配当を減らさず、株主還元を守り抜いてきた確かな実績があります。1株配当は110円が続いた後、直近は160円、295円へと大きく飛躍。配当性向は39.7%とまだ余裕があり、高い収益性を背景に増配余地も残されています。派手な高利回りではありませんが、「減らさず、着実に増やす」という規律の効いた還元姿勢が光ります。
3. 業績と財務の安定性
その安定還元を支える、圧巻の収益性と鉄壁の財務を見ていきます。
| 指標 | 値 |
|---|---|
| ROE | 25.21% |
| ROA | 19.33% |
| 自己資本比率 | 78.44% |
| EPS / BPS | 744 / 3042 |
| 収益性スコア | 3.15 |
| 還元スコア | 2.09 |
| 割安スコア | — |
ROE25.2%、ROA19.3%と本レポート対象でも屈指の収益性。自己資本比率は78.4%と極めて強固で、EPSは744円に達します。ニッチトップ製品ゆえの高い価格決定力が、この分厚い利益率を生んでいます。稼ぐ力と財務の健全性を高い次元で両立——増配を続けるための土台は、これ以上ないほど盤石です。
4. 割安度(買い時か)
PERは35.7倍、PBRは8.73倍と、圧倒的な収益性と成長性を織り込んだプレミアム評価です。自社利回り比は0.68で、株価上昇により現在の利回りは自社の過去水準より低め。割安な妙味は乏しく、市場はすでにHOYAの質の高さを株価に反映しています。
過去5年の配当利回りのレンジから、株価の買い時・売り時の目安を機械的に示したものです(配当が今の水準を保つ前提の簡易ガイドで、業績変化は織り込みません)。
| 区分 | 株価水準(対応利回り) |
|---|---|
| 現在株価 | 24780円(利回り1.19%) |
| 買い目安(5年平均利回り) | 32065円(利回り0.92%) |
| 強い買い目安(5年最高利回り) | 14320円(利回り2.06%) |
| 売り目安(5年最低利回り) | 51754円(利回り0.57%) |
現在株価は買い目安(32065円)を下回っており、利回りは自社の5年平均を上回る割安圏にあります。過去の水準に照らせば、インカム狙いで検討しやすい株価です。
5. 総合判断
総合判定: 中立(スコア 134.8)
明確な買いシグナルも売りシグナルも弱く、現状維持・様子見が妥当な水準です。利回りだけでなく財務・増配記録を総合して判断してください。
判定根拠: 条件一部のみ該当
総合スコア134.8、ROE25%・非減配14年と、企業の質と還元姿勢はいずれも最上位級です。判定は「中立」ですが、これは利回り1.19%という水準が配当妙味に欠けるためで、企業への評価とは別物。目先のインカムより、圧倒的な収益力に裏打ちされた「減らさず増やし続ける配当」を長期で育てたい——そんな投資家にこそ響く、質実剛健の一社です。
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨・勧誘するものではありません。投資に関する最終的な判断は、ご自身の責任において行ってください。

