4914 高砂香料工業
- 配当利回り
- 4.17%
- 配当性向
- 151%
- DOE
- 3.30%
- 総合スコア
- 43.9pt
用語の解説(クリックで開く)
- 配当利回り
- 直近1年の配当金合計 ÷ 現在株価 × 100(%)。高いほどインカムが厚い目安。
- 配当性向
- 配当金 ÷ 当期純利益 × 100(%)。30〜50%が安心ゾーン。80%超は持続性に注意。
- PER
- 株価 ÷ 1株利益。低いほど利益に対し割安とされる(業種差あり)。
- PBR
- 株価 ÷ 1株純資産。1倍割れは資産に対し割安の目安(業種差あり)。
- ROE
- 当期純利益 ÷ 自己資本 × 100(%)。資本効率の指標。10%以上なら優良の目安。
- ROA
- 当期純利益 ÷ 総資産 × 100(%)。会社全体の資産効率。
- DOE
- 配当金 ÷ 自己資本 × 100(%)。利益より変動しにくい自己資本が分母なので、配当の安定方針が読み取れる。日本企業はおおむね2〜4%、中央値は3%前後。
- 自社利回り比(sy)
- 現在利回り ÷ 過去5年平均利回り。1超なら自社の過去より割安な水準。
- 連続増配
- 分割調整済み配当が前年比で増えた年数。同額維持は非減配として別途カウント。
- 非減配
- 配当を減らしていない年数(増配または同額維持)。長いほど配当が安定。
- 自己資本
- 会社の資産のうち返済不要な株主のお金。純資産ともいう。
- 自己資本比率
- 自己資本 ÷ 総資産 × 100(%)。高いほど借金依存が低く財務が頑丈。
- フリーキャッシュフロー
- 本業で稼いだ現金から投資を引いた残り。配当の原資。マイナス続きは要注意。
- 時価総額
- 株価 × 発行済株式数。会社の市場価値。大きいほど値動きが安定しやすい。
- EPS
- 1株あたり利益。配当の元手。EPSが伸びれば増配余地も広がる。
- BPS
- 1株あたり純資産。会社の解散価値の目安。
- 営業利益率
- 営業利益 ÷ 売上高 × 100(%)。本業の稼ぐ力。
- 5年平均利回り水準
- 配当利回りが過去5年平均に一致する株価。今の株価がこれより下なら、利回りは5年平均より高い。
- 5年最低利回り水準
- 配当利回りが過去5年の最低まで下がる株価。今の株価がこれより上なら、利回りは5年で最も低い側。
- 減配
- 配当を前年より減らすこと。配当株投資では最も避けたいイベント。
1. 企業概要
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 銘柄コード | 4914 |
| 業種 | 化学 |
| 配当利回り(株価ベース) | 4.17% |
| 1株配当(最新期・分割調整済) | 52.00円 |
| 総合判定 | 対象外 |
| 総合スコア | 43.9 |
| 連続増配 | 2年 |
| 非減配 | 5年 |
| 配当性向 | 151.45% |
| PER / PBR | 12.13 / 0.75 |
| ROE | 6.30% |
| DOE(株主資本配当率) | 3.30%(業種中央値 2.48%) |
高砂香料工業は化学セクターに属し、決算月は3月です。時価総額は約1,194億円。東証の中では中堅の規模にあたります。
財務の土台は厚めです。自己資本比率は57.55%で、借入に頼らず事業を回せる水準にあります。一方で営業利益率は3.61%にとどまり、化学業種の中央値6.83%の約半分です。ROEは6.30%(業種中央値6.49%)、ROAは3.51%(同3.94%)で、業種の真ん中より少し下に位置します。
PERは12.13倍、PBRは0.75倍です。業種中央値はPERが12.9倍、PBRが0.80倍なので、どちらもわずかに下回っています。
私がこの銘柄で注目するのは、配当の水準が直近で大きく変わった点です。詳しくは次章で数字を追います。
※連続増配・非減配の年数は自動算出値です。重要な投資判断の前には、企業のIR資料での確認を推奨します。
2. 配当の魅力
| 期間 | 最大 | 平均 | 最小 |
|---|---|---|---|
| 5年 | 8.04% | 3.79% | 2.12% |
| 3年 | 8.04% | 4.32% | 2.12% |
| 1年 | 5.12% | 4.18% | 3.36% |
| 現在 | 4.17% | — | — |
| 会計年度 | 1株配当 (分割調整済) | 配当性向 | EPS |
|---|---|---|---|
| 17/03 | 10.00円 | 15.65% | 64円 |
| 18/03 | 11.00円 | 15.51% | 71円 |
| 19/03 | 10.00円 | 20.69% | 48円 |
| 20/03 | 13.00円 | 37.47% | 35円 |
| 21/03 | 10.00円 | 15.08% | 66円 |
| 22/03 | 14.00円 | 15.42% | 91円 |
| 23/03 | 14.00円 | 18.59% | 75円 |
| 24/03 | 14.00円 | 50.50% | 28円 |
| 25/03 | 48.00円 | 35.09% | 137円 |
| 26/03 | 52.00円 | 151.45% | 34円 |
DOEで見る減配しにくさ
DOEは配当÷自己資本。利益は年ごとにブレます。でも自己資本はそう簡単には減りません。だからDOEが高い会社ほど、業績が少し傾いても配当を保ちます。
この会社のDOEは3.30%。全国の中央値3%を超え、業種中央値は2.48%も上回ります。自己資本にしっかり配当を回す会社です。少しくらい業績が落ちても、配当はそう簡単に減りません。
月次の配当利回りを線で結んだグラフです。株価が下がるか配当が増えると線は上がります。2024年4月に2.24%から7.53%へ跳ねたのは、配当が増えたためです。直近の2026年9月は4.17%で、5年平均3.79%の少し上にあります。
5年・3年・1年それぞれの最大・平均・最小を並べた棒グラフです。期間が短いほど、足元の水準に近い数字になります。この銘柄は1年の平均が4.18%、5年の平均が3.79%で、最大は5年・3年とも8.04%、最小は2.12%でした。
年度ごとの1株配当(分割調整済み)を示す棒グラフです。右へ進むほど新しい年度になります。2024年の14円から2025年は48円、2026年は52円へ上がり、棒の高さが大きく変わっています。減配は2021年が最後です。
※連続増配・非減配の年数は自動算出値です。重要な投資判断の前には、企業のIR資料での確認を推奨します。
いまの配当利回りは4.17%です。直近1年の平均は4.18%、5年平均は3.79%なので、足元は5年平均を少し上回っています。5年間の最高は8.04%、最低は2.12%。幅はかなり大きく見えます。
この幅には理由があります。調整後の1株配当は2024年まで14円でしたが、2025年に48円、2026年に52円へ上がりました。配当が増えた分だけ、2024年4月以降の利回りが跳ね上がっています。連続増配は2年、減配のない期間は5年で、最後の減配は2021年です。
※連続増配・非減配の年数は自動算出値です。重要な投資判断の前には、企業のIR資料での確認を推奨します。
気になるのは配当性向です。2025年は35.09%でしたが、2026年は151.45%に跳ねました。前年から116.4ポイントの急変で、システム上の異常値として検出されています。配当が利益(EPS 34.33円)を上回っている状態です。
DOE(株主資本配当率)は3.30%。自己資本に対してどれだけ配当を出しているかを見る指標で、配当が利益の増減に振り回されにくい目安になります。化学業種の中央値2.48%を上回り、全国の目安である2〜4%の範囲にも収まっています。利益が落ち込んだ年でも、自己資本ベースの還元姿勢は維持されています。
3. 業績と財務の安定性
| 指標 | 値 |
|---|---|
| ROE | 6.30% |
| ROA | 3.51% |
| DOE | 3.30% |
| 自己資本比率 | 57.55% |
| EPS / BPS | 98 / 1574 |
| 収益性スコア | 0.80 |
| 還元スコア | 0.67 |
| 割安スコア | 0.94 |
業績の方向は下向きです。売上高成長率は-1.80%、EPS成長率は-28.56%。EPSは2025年の136.79円から2026年は34.33円まで落ちました。2025年の水準が高かったぶん、落差が目立ちます。
収益性は業種の中央値に届いていません。ROEは6.30%(中央値6.49%)、ROAは3.51%(同3.94%)、営業利益率は3.61%(同6.83%)です。特に営業利益率の差は大きく、本業で稼ぐ力に伸びしろがあります。
フリーキャッシュフローは約-119.5億円のマイナスです。事業と投資を差し引いて手元の現金が減った計算になります。配当を利益だけで賄えていないことと合わせて、あなたが確認しておきたい点です。
救いは自己資本比率57.55%の厚みです。BPSは1,573.55円あり、財務の体力は残っています。ただし、配当性向151.45%の状態が続けば、その体力を取り崩すことになります。
4. 割安度
PERは12.13倍で、化学業種の中央値12.9倍をわずかに下回ります。PBRは0.75倍。中央値0.80倍より低く、1倍も割っています。つまり株価は、帳簿上の純資産(BPS 1,573.55円)を下回る水準で取引されています。
利回りの面でも位置を見ておきます。現在の4.17%は、5年平均3.79%と3年平均4.32%の間にあります。1年の範囲(3.36%〜5.12%)で見ると、ほぼ真ん中です。
ただし、この数字は配当が来期も同じ水準で続く前提に立っています。EPS 34.33円に対して配当が52円という現状では、利回りの見え方と利益の裏付けにズレがあります。スコア上の割安スコアは0.941と高い一方、割安に見える理由が利益の落ち込みにある可能性も、数字の読み方として頭に置いてください。
過去5年の配当利回りレンジを、株価の水準に置き換えたものです。いまの株価がそのレンジのどこにあるかを示します。前提は「配当が今の水準を保つこと」で、業績の変化は織り込んでいません。売買を推奨するものではありません。
| 区分 | 株価水準(対応利回り) |
|---|---|
| 現在株価 | 1295円(利回り4.17%) |
| 5年平均利回りに戻る株価 | 1425円(利回り3.79%) |
| 5年最高利回り時の株価 | 672円(利回り8.04%) |
| 5年最低利回り時の株価 | 2547円(利回り2.12%) |
いまの株価は1425円(利回りが5年平均に戻る水準)を下回っています。利回りは5年平均より高く、過去のレンジでは株価が低い側にあります。
株価と、利回りが過去の水準に戻る株価の目安を結んだ折れ線です。現在の株価は1,295円。5年平均利回りに戻る株価は1,424.8円で、現在より10.0%高い位置にあります。この線は過去の利回りから逆算した事実表現で、売買を推奨するものではありません。
5. 総合判断
総合判定: 対象外(スコア 43.9)
配当性向超過・FCFマイナス・データ欠損など、本システムの足切り条件に該当しました。参考情報としてご覧ください。
判定根拠:
配当性向80%超;FCFマイナス
+ DOE2%以上かつ業種平均以上(還元姿勢良好)
判定は「対象外」(総合スコア43.9点)です。割安スコア0.941、DOE3.30%(業種中央値2.48%)という支えはあるものの、配当性向151.45%とフリーキャッシュフロー約-119.5億円が判定を押し下げました。
1株配当の14円から48円、52円への引き上げはEPSが136.79円あった2025年に重なりますが、2026年のEPSは34.33円まで落ちており、いまの52円は利益でも現金でも賄えず、自己資本比率57.55%の厚みを取り崩しながら続ける構図になっています。PBR0.75倍の低さも営業利益率3.61%(業種中央値6.83%)の弱さを映している面があり、あなたが利回り4.17%だけを見ると、利益が戻らないまま配当が見直されるという、バリュートラップの形に当てはまる余地を見落とします。
6. よくある質問
高砂香料工業の株価は割安ですか、割高ですか?
配当利回りは4.17%で、過去5年平均の3.79%を上回る水準です。総合スコアによる区分は「対象外」です。売買を推奨するものではありません。
同社は何年連続で増配していますか?
2年連続で増配しています(株式分割調整後の1株配当ベース)。また5年間、配当を減らしていません。
同社の配当性向はどのくらいですか?
配当性向は約151%です。一般に30〜50%が無理のない理想帯とされます。
同社は過去に減配したことがありますか?
直近の減配は2021年で、それ以降は減配していません。
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨・勧誘するものではありません。投資に関する最終的な判断は、ご自身の責任において行ってください。

