用語の解説(クリックで開く)
- 配当利回り
- 直近1年の配当金合計 ÷ 現在株価 × 100(%)。高いほどインカムが厚い目安。
- 配当性向
- 配当金 ÷ 当期純利益 × 100(%)。50%前後が一般的。80%超は持続性に注意。
- PER
- 株価 ÷ 1株利益。低いほど利益に対し割安とされる(業種差あり)。
- PBR
- 株価 ÷ 1株純資産。1倍割れは資産に対し割安の目安(業種差あり)。
- ROE
- 当期純利益 ÷ 自己資本 × 100(%)。資本効率の指標。
- DOE
- 配当金 ÷ 自己資本 × 100(%)。自己資本に対する還元の厚さ。
- 自社利回り比(sy)
- 現在利回り ÷ 過去5年平均利回り。1未満は株価上昇で利回りが相対的に低下。
- 連続増配
- 分割調整済み配当が前年比で増えた年数。同額維持は非減配として別途カウント。
1. 企業概要
損保大手SOMPO。12年連続増配・PBR1倍近辺・低い配当性向——バリューと還元力を兼ね備えたこの会社を見ていきます。
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 銘柄コード | 8630 |
| 業種 | 保険業 |
| 配当利回り(株価ベース) | 2.26% |
| 1株配当(最新期・分割調整済) | 150.00円 |
| 総合判定 | 中立 |
| 総合スコア | 67.8 |
| 連続増配 | 12年 |
| 非減配 | 13年 |
| 配当性向 | 21.40% |
| PER / PBR | 8.58 / 1.04 |
| ROE | 13.66% |
SOMPOホールディングスは、損保ジャパンを中核とする国内損害保険大手です。国内損保に加え、海外保険や介護・ヘルスケア事業も展開しています。損害保険は景気変動に比較的強く、安定した保険料収入を生むディフェンシブな事業。近年、保険業界全体で進む政策保有株の削減と資本効率の改善(PBR1倍改革)というテーマの、まさに中心にいる一社です。
2. 配当の魅力
この銘柄の魅力は還元の継続力と割安さの両立です。利回りと配当履歴を、表とグラフで確認しましょう。
| 期間 | 最大 | 平均 | 最小 |
|---|---|---|---|
| 5年 | 6.37% | 4.31% | 2.22% |
| 3年 | 5.71% | 3.72% | 2.22% |
| 1年 | 3.69% | 2.88% | 2.22% |
| 現在 | 2.26% | — | — |
| 会計年度 | 1株配当(分割調整済) | 配当性向 | EPS |
|---|---|---|---|
| 2017年3月期 | 30.00円 | 21.47% | 140円 |
| 2018年3月期 | 36.67円 | 30.44% | 120円 |
| 2019年3月期 | 43.33円 | 33.14% | 131円 |
| 2020年3月期 | 50.00円 | 44.89% | 111円 |
| 2021年3月期 | 56.67円 | 42.78% | 132円 |
| 2022年3月期 | 70.00円 | 32.60% | 215円 |
| 2023年3月期 | 86.67円 | 96.07% | 90円 |
| 2024年3月期 | 100.00円 | 56.13% | 178円 |
| 2025年3月期 | 132.00円 | 52.61% | 251円 |
| 2026年3月期 | 150.00円 | 21.40% | 701円 |
※連続増配・非減配の年数は自動算出値です。重要な投資判断の前には、企業のIR資料での確認を推奨します。
連続増配12年、非減配13年——長期にわたる安定した株主還元の実績があります。1株配当は着実に伸び、直近も132円→150円へと増配を継続。特筆すべきは配当性向がわずか21.4%と低いこと。利益に対して配当がまだ小さいため、増配余地は極めて大きく、実際に資本効率改善の流れの中で還元強化が進んでいます。利回り2.26%と継続的増配の組み合わせは、堅実な配当投資家にとって心強い要素です。
3. 業績と財務の安定性
その還元を支える収益力と、保険業ならではの財務を見ていきます。
| 指標 | 値 |
|---|---|
| ROE | 13.66% |
| ROA | 3.44% |
| 自己資本比率 | 27.78% |
| EPS / BPS | 701 / 5792 |
| 収益性スコア | 1.87 |
| 還元スコア | 0.86 |
| 割安スコア | 0.82 |
ROEは13.7%と良好で、ROA3.44%、自己資本比率27.8%——保険業はバランスシートに保険負債を抱えるため、この自己資本比率は業態上ごく標準的です。EPSは701円。安定した保険引受収益と資産運用が、増配を続けるための原資を生み出しています。資本効率の改善余地という点でも、業界の追い風を受けやすい立ち位置です。
4. 割安度(買い時か)
PERは8.58倍、PBRは1.04倍と、利益・資産の両面で割安圏にあります。自社利回り比は0.35と低めですが、低PER・PBR1倍近辺という水準は、バリュー投資の観点で見逃せません。資本効率改善が進めばPBRの見直し余地もあり、割安さと成長の両にらみができる評価です。
過去5年の配当利回りのレンジから、株価の買い時・売り時の目安を機械的に示したものです(配当が今の水準を保つ前提の簡易ガイドで、業績変化は織り込みません)。
| 区分 | 株価水準(対応利回り) |
|---|---|
| 現在株価 | 6645円(利回り2.26%) |
| 買い目安(5年平均利回り) | 3480円(利回り4.31%) |
| 強い買い目安(5年最高利回り) | 2355円(利回り6.37%) |
| 売り目安(5年最低利回り) | 6757円(利回り2.22%) |
現在株価は買い目安(3480円)と売り目安(6757円)の間にある中立圏です。買い目安まではあと約47.6%の下落余地。利回りの妙味を重視するなら、買い目安への接近を待つ判断も理にかないます。
5. 総合判断
総合判定: 中立(スコア 67.8)
明確な買いシグナルも売りシグナルも弱く、現状維持・様子見が妥当な水準です。利回りだけでなく財務・増配記録を総合して判断してください。
判定根拠: 自社平均より低利回り
総合スコアは67.8ですが、12年連続増配・低PBR・配当性向21%という組み合わせは、「還元の継続力」と「割安さ」と「増配余地」の三拍子がそろった好条件です。判定は「中立」ですが、保険業界全体で進む資本効率改善(PBR1倍改革)というテーマの追い風もあり、堅実な高配当・増配株を求める投資家にとって、じっくり検討する価値のある一社といえます。
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨・勧誘するものではありません。投資に関する最終的な判断は、ご自身の責任において行ってください。

