【連続増配】ファナック(6954)利回り1.56%・連続増配株は今買い?配当分析

用語の解説(クリックで開く)
配当利回り
直近1年の配当金合計 ÷ 現在株価 × 100(%)。高いほどインカムが厚い目安。
配当性向
配当金 ÷ 当期純利益 × 100(%)。50%前後が一般的。80%超は持続性に注意。
PER
株価 ÷ 1株利益。低いほど利益に対し割安とされる(業種差あり)。
PBR
株価 ÷ 1株純資産。1倍割れは資産に対し割安の目安(業種差あり)。
ROE
当期純利益 ÷ 自己資本 × 100(%)。資本効率の指標。
DOE
配当金 ÷ 自己資本 × 100(%)。自己資本に対する還元の厚さ。
自社利回り比(sy)
現在利回り ÷ 過去5年平均利回り。1未満は株価上昇で利回りが相対的に低下。
連続増配
分割調整済み配当が前年比で増えた年数。同額維持は非減配として別途カウント。

1. 企業概要

工場を動かす「黄色い巨人」ファナック。自己資本比率90%という鉄壁の財務を持つこの会社を、全体像から見ていきます。

項目
銘柄コード 6954
業種 電気機器
配当利回り(株価ベース) 1.56%
1株配当(最新期・分割調整済) 107.09円
総合判定 中立
総合スコア 76.5
連続増配 2年
非減配 2年
配当性向 60.00%
PER / PBR 29.70 / 2.65
ROE 9.19%

ファナックは、工作機械用CNC(数値制御装置)と産業用ロボットで世界首位を走るFA(ファクトリーオートメーション)の巨人です。世界中の工場の自動化を支える基幹装置を供給し、その黄色い機械は世界の生産現場の象徴。自己資本比率90%という、実質無借金どころか手元資金が積み上がった超堅牢な財務が、この会社の圧倒的な安定感の源泉です。

2. 配当の魅力

利回りと配当の推移を、表とグラフで確認します。利益連動ならではの振れ方に注目してください。

期間 最大 平均 最小
5年 3.51% 2.31% 1.27%
3年 3.51% 2.21% 1.27%
1年 2.93% 1.96% 1.27%
現在 1.56%
会計年度 1株配当(分割調整済) 配当性向 EPS
2017年3月期 79.04円 60.00% 132円
2018年3月期 112.64円 60.00% 188円
2019年3月期 86.32円 126.12% 68円
2020年3月期 60.00円 78.56% 76円
2021年3月期 58.81円 60.00% 98円
2022年3月期 97.14円 60.00% 162円
2023年3月期 107.13円 —% —円
2024年3月期 84.14円 60.00% 140円
2025年3月期 94.39円 60.00% 157円
2026年3月期 107.09円 60.00% 178円

※連続増配・非減配の年数は自動算出値です。重要な投資判断の前には、企業のIR資料での確認を推奨します。

ファナックの配当は、連結配当性向を重視する利益連動型です。そのため1株配当は年によって上下します——世界の設備投資、とりわけ中国の需要動向で利益が振れれば、配当も素直に振れる設計です。配当性向は60.0%とやや高めで、還元姿勢は積極的。現在利回りは1.56%です。足元は中国の設備投資低迷という循環的な谷にありますが、需要が回復すれば利益とともに配当も戻る、その弾力性を持った銘柄です。

3. 業績と財務の安定性

この会社の代名詞、鉄壁の財務と収益性を数字で見ていきます。

指標
ROE 9.19%
ROA 7.97%
自己資本比率 90.06%
EPS / BPS 178 / 1998
収益性スコア 2.05
還元スコア 1.47
割安スコア 1.10

自己資本比率90.1%——本レポート対象で最も高く、実質無借金で潤沢な手元資金を抱える、まさに鉄壁の財務です。一方でROEは9.2%と、中国を中心とする設備投資の低迷を受けて足元は伸び悩んでいます。ROA7.97%、EPSは178円。この分厚い自己資本があるからこそ、市況の谷でも安定した配当を維持できる——変動業種における、圧倒的な安全マージンです。

4. 割安度(買い時か)

PERは29.7倍、PBRは2.65倍。世界首位のブランドと財務の強さを織り込んだ評価です。自社利回り比は0.62で、現在の利回りは自社の過去水準よりやや低め。割安感は限定的ですが、循環の谷にある今の利益水準を前提とした評価である点は考慮したいところです。

過去5年の配当利回りのレンジから、株価の買い時・売り時の目安を機械的に示したものです(配当が今の水準を保つ前提の簡易ガイドで、業績変化は織り込みません)。

区分 株価水準(対応利回り)
現在株価 6851円(利回り1.56%)
買い目安(5年平均利回り) 4636円(利回り2.31%)
強い買い目安(5年最高利回り) 3051円(利回り3.51%)
売り目安(5年最低利回り) 8432円(利回り1.27%)

現在株価は買い目安(4636円)と売り目安(8432円)の間にある中立圏です。買い目安まではあと約32.3%の下落余地。利回りの妙味を重視するなら、買い目安への接近を待つ判断も理にかないます。

5. 総合判断

総合判定: 中立(スコア 76.5)

明確な買いシグナルも売りシグナルも弱く、現状維持・様子見が妥当な水準です。利回りだけでなく財務・増配記録を総合して判断してください。

判定根拠: 割安感が乏しい/自社平均より低利回り

総合スコアは76.5、自己資本比率90%という財務の強さは本レポート随一です。判定は「中立」で、これは足元のROE低迷(中国設備投資の谷)と利回り1.56%という水準を反映したもの。ただFA・ロボット世界首位という立ち位置と鉄壁の財務を思えば、循環の谷はいずれ過ぎるもの。配当が利益連動で振れることを理解したうえで、設備投資サイクルの回復を待てる長期投資家にとって、質の高い一社です。

本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨・勧誘するものではありません。投資に関する最終的な判断は、ご自身の責任において行ってください。


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