用語の解説(クリックで開く)
- 配当利回り
- 直近1年の配当金合計 ÷ 現在株価 × 100(%)。高いほどインカムが厚い目安。
- 配当性向
- 配当金 ÷ 当期純利益 × 100(%)。50%前後が一般的。80%超は持続性に注意。
- PER
- 株価 ÷ 1株利益。低いほど利益に対し割安とされる(業種差あり)。
- PBR
- 株価 ÷ 1株純資産。1倍割れは資産に対し割安の目安(業種差あり)。
- ROE
- 当期純利益 ÷ 自己資本 × 100(%)。資本効率の指標。
- DOE
- 配当金 ÷ 自己資本 × 100(%)。自己資本に対する還元の厚さ。
- 自社利回り比(sy)
- 現在利回り ÷ 過去5年平均利回り。1未満は株価上昇で利回りが相対的に低下。
- 連続増配
- 分割調整済み配当が前年比で増えた年数。同額維持は非減配として別途カウント。
1. 企業概要
生体認証とDXで復活を遂げたNEC。増配ペースの速いこの会社を、配当の観点から見ていきます。
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 銘柄コード | 6701 |
| 業種 | 電気機器 |
| 配当利回り(株価ベース) | 0.87% |
| 1株配当(最新期・分割調整済) | 38.00円 |
| 総合判定 | 中立 |
| 総合スコア | 59.2 |
| 連続増配 | 7年 |
| 非減配 | 7年 |
| 配当性向 | 18.72% |
| PER / PBR | 18.95 / 2.32 |
| ROE | 13.03% |
日本電気(NEC)は、社会インフラや官公庁向けのITシステムに強い、国内ITサービス大手です。顔認証をはじめとする生体認証技術では世界最高水準の評価を得ており、DX・AI・宇宙防衛といった成長分野へと軸足を移しています。かつての総合電機から高付加価値のITサービス・技術企業へ——構造改革を経て、収益性を着実に取り戻してきました。
2. 配当の魅力
利回りと配当の推移を、表とグラフで確認します。速い増配ペースと、低い配当性向に注目してください。
| 期間 | 最大 | 平均 | 最小 |
|---|---|---|---|
| 5年 | 2.57% | 1.53% | 0.63% |
| 3年 | 1.85% | 1.10% | 0.63% |
| 1年 | 1.04% | 0.84% | 0.63% |
| 現在 | 0.87% | — | — |
| 会計年度 | 1株配当(分割調整済) | 配当性向 | EPS |
|---|---|---|---|
| 2017年3月期 | 12.00円 | 57.09% | 21円 |
| 2018年3月期 | 12.00円 | 33.99% | 35円 |
| 2019年3月期 | 8.00円 | 25.85% | 31円 |
| 2020年3月期 | 14.00円 | 18.18% | 77円 |
| 2021年3月期 | 16.00円 | 16.15% | 99円 |
| 2022年3月期 | 20.00円 | 19.28% | 104円 |
| 2023年3月期 | 22.00円 | 25.91% | 85円 |
| 2024年3月期 | 24.00円 | 21.38% | 112円 |
| 2025年3月期 | 28.00円 | 106.46% | 26円 |
| 2026年3月期 | 38.00円 | 18.72% | 203円 |
※連続増配・非減配の年数は自動算出値です。重要な投資判断の前には、企業のIR資料での確認を推奨します。
7年連続増配、1株配当は近年16円から38円へと倍増以上の勢いで伸びてきました。増配のペースは本群でも速い部類です。しかも配当性向はわずか18.7%——稼いだ利益に対して配当がまだ小さく、増配余地は大きく残されています。現在利回りは0.87%と低いものの、この速い増配ペースと低い配当性向を思えば、還元強化の「これから」に期待の持てる銘柄です。
3. 業績と財務の安定性
構造改革の成果を、収益性の数字で確かめます。
| 指標 | 値 |
|---|---|
| ROE | 13.03% |
| ROA | 6.05% |
| 自己資本比率 | 49.18% |
| EPS / BPS | 203 / 1656 |
| 収益性スコア | 1.53 |
| 還元スコア | 0.74 |
| 割安スコア | 0.83 |
ROE13.0%、ROA6.05%と、収益性は着実に改善しています。自己資本比率は49.2%と財務も安定し、EPSは203円。不採算事業の整理とDX・生体認証といった高付加価値領域へのシフトが、資本効率の向上に結びついています。地道な構造改革が、数字となって実を結び始めています。
4. 割安度(買い時か)
PERは19.0倍、PBRは2.32倍。改善した収益性を織り込んだ、標準的な評価です。自社利回り比は0.36と低く、現在の利回りは自社の過去水準に対して低めですが、配当性向の低さを踏まえれば、増配による利回りの底上げ余地は十分にあります。
過去5年の配当利回りのレンジから、株価の買い時・売り時の目安を機械的に示したものです(配当が今の水準を保つ前提の簡易ガイドで、業績変化は織り込みません)。
| 区分 | 株価水準(対応利回り) |
|---|---|
| 現在株価 | 4386円(利回り0.87%) |
| 買い目安(5年平均利回り) | 2484円(利回り1.53%) |
| 強い買い目安(5年最高利回り) | 1479円(利回り2.57%) |
| 売り目安(5年最低利回り) | 6032円(利回り0.63%) |
現在株価は買い目安(2484円)と売り目安(6032円)の間にある中立圏です。買い目安まではあと約43.4%の下落余地。利回りの妙味を重視するなら、買い目安への接近を待つ判断も理にかないます。
5. 総合判断
総合判定: 中立(スコア 59.2)
明確な買いシグナルも売りシグナルも弱く、現状維持・様子見が妥当な水準です。利回りだけでなく財務・増配記録を総合して判断してください。
判定根拠: 自社平均より低利回り
総合スコアは59.2ですが、7年連続増配・速い増配ペース・配当性向18.7%という組み合わせは、増配の伸びしろという点で魅力的です。判定「中立」は現在の利回り0.87%の低さを反映したもの。生体認証やDXという成長ドライバーと、低い配当性向がもたらす増配余地を思えば、今のインカムより「これからの増配」に期待する投資家に向いた一社といえます。
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨・勧誘するものではありません。投資に関する最終的な判断は、ご自身の責任において行ってください。

