【連続増配】味の素(2802)配当分析|利回り0.87%・5年連続増配

2802 味の素

中立
配当利回り
0.87%
配当性向
35%
DOE
17.94%
総合スコア
100.0pt
用語の解説(クリックで開く)
配当利回り
直近1年の配当金合計 ÷ 現在株価 × 100(%)。高いほどインカムが厚い目安。
配当性向
配当金 ÷ 当期純利益 × 100(%)。30〜50%が安心ゾーン。80%超は持続性に注意。
PER
株価 ÷ 1株利益。低いほど利益に対し割安とされる(業種差あり)。
PBR
株価 ÷ 1株純資産。1倍割れは資産に対し割安の目安(業種差あり)。
ROE
当期純利益 ÷ 自己資本 × 100(%)。資本効率の指標。10%以上なら優良の目安。
ROA
当期純利益 ÷ 総資産 × 100(%)。会社全体の資産効率。
DOE
配当金 ÷ 自己資本 × 100(%)。利益より変動しにくい自己資本が分母なので、配当の安定方針が読み取れる。日本企業はおおむね2〜4%、中央値は3%前後。
自社利回り比(sy)
現在利回り ÷ 過去5年平均利回り。1超なら自社の過去より割安な水準。
連続増配
分割調整済み配当が前年比で増えた年数。同額維持は非減配として別途カウント。
非減配
配当を減らしていない年数(増配または同額維持)。長いほど配当が安定。
自己資本
会社の資産のうち返済不要な株主のお金。純資産ともいう。
自己資本比率
自己資本 ÷ 総資産 × 100(%)。高いほど借金依存が低く財務が頑丈。
フリーキャッシュフロー
本業で稼いだ現金から投資を引いた残り。配当の原資。マイナス続きは要注意。
時価総額
株価 × 発行済株式数。会社の市場価値。大きいほど値動きが安定しやすい。
EPS
1株あたり利益。配当の元手。EPSが伸びれば増配余地も広がる。
BPS
1株あたり純資産。会社の解散価値の目安。
営業利益率
営業利益 ÷ 売上高 × 100(%)。本業の稼ぐ力。
5年平均利回り水準
配当利回りが過去5年平均に一致する株価。今の株価がこれより下なら、利回りは5年平均より高い。
5年最低利回り水準
配当利回りが過去5年の最低まで下がる株価。今の株価がこれより上なら、利回りは5年で最も低い側。
減配
配当を前年より減らすこと。配当株投資では最も避けたいイベント。

1. 企業概要

項目値
銘柄コード2802
業種食料品
配当利回り(株価ベース)0.87%
1株配当(最新期・分割調整済)48.00円
総合判定中立
総合スコア100.0
連続増配5年
非減配26年
配当性向34.69%
PER / PBR31.80 / 5.47
ROE38.90%
DOE(株主資本配当率)17.94%(業種中央値 2.35%)

企業概要

味の素株式会社(2802)は食料品セクターに属する企業です。ここでは直近の収益性と財務体質を数字で見ていきます。

ROEは38.90%。業種中央値の6.67%と比べると、際立って高い水準にあります。自己資本を使って稼ぐ力が強い、という数字です。ROAも7.43%で、業種中央値3.86%を上回ります。

営業利益率は12.59%。業種中央値3.89%の3倍以上です。本業の収益力が厚いことが分かります。一方で自己資本比率は18.31%とやや低め。食品業界の中では、財務レバレッジをやや効かせた経営という見方もできます。

EPS(1株当たり利益)は138.36円。前期の34.89円から大きく伸びました。この伸び幅は一時的な要因を含む可能性があるため、次の決算での継続性を確認したいところです。PERは31.8倍、PBRは5.47倍と、いずれも業種中央値(PER17.6倍、PBR1.13倍)を上回ります。市場からの評価はすでに高めについている、と読めます。

2. 配当の魅力

期間最大平均最小
5年2.40%1.46%0.78%
3年1.84%1.28%0.78%
1年1.46%1.10%0.78%
現在0.87%——
会計年度1株配当
(分割調整済)
配当性向EPS
17/0315.00円32.32%46円
18/0316.00円29.95%53円
19/0316.00円59.68%27円
20/0316.00円93.10%17円
21/0316.00円38.76%41円
22/0326.00円37.30%70円
23/0334.00円38.64%88円
24/0337.00円44.19%84円
25/0340.00円114.66%35円
26/0348.00円34.69%138円

DOEで見る減配しにくさ

DOEは配当÷自己資本。利益は年ごとにブレます。でも自己資本はそう簡単には減りません。だからDOEが高い会社ほど、業績が少し傾いても配当を保ちます。

この会社のDOEは17.94%。全国の中央値3%を超え、業種中央値は2.35%も上回ります。自己資本にしっかり配当を回す会社です。少しくらい業績が落ちても、配当はそう簡単に減りません。

配当利回りの推移(月次・%) 0.50 1.00 1.50 2.00 2.50 3.00 5年最大 2.40 5年平均 1.46 5年最小 0.78 21/08 22/08 23/08 24/08 25/08 26/08 0.87

このグラフは配当利回りの月次推移を示しています。横線は5年間の最大・平均・最小水準です。味の素はいま利回り0.87%で、5年平均の1.46%を大きく下回る位置にあります。2026年に入ってから株価が急伸し、利回りが縮んだ動きが線の傾きから読み取れます。

配当利回りの期間別比較(%) 0.00 1.00 2.00 3.00 5年 最大: 2.40 2.40 5年 平均: 1.46 1.46 5年 最小: 0.78 0.78 5年 3年 最大: 1.84 1.84 3年 平均: 1.28 1.28 3年 最小: 0.78 0.78 3年 1年 最大: 1.46 1.46 1年 平均: 1.10 1.10 1年 最小: 0.78 0.78 1年 現在 0.87 最大 平均 最小

5年・3年・1年それぞれの最大・平均・最小利回りを棒で比較したグラフです。期間を短く取るほど、平均値が下がっているのが分かります(5年平均1.46%→3年平均1.28%→1年平均1.10%)。株高がここ1〜2年で進んだことを裏づけています。

0.00 20.00 40.00 60.00 2017 2017年 15.00円 2018 2018年 16.00円 2019 2019年 16.00円 2020 2020年 16.00円 2021 2021年 16.00円 2022 2022年 26.00円 2023 2023年 34.00円 2024 2024年 37.00円 2025 2025年 40.00円 2026 2026年 48.00円

年度ごとの配当金額(分割調整済み)を棒で示したグラフです。2022年度以降、棒が右肩上がりに伸びており、5年連続の増配が視覚的に確認できます。2000年度の2.5円から2026年度の48円まで、長期で見ても増配基調が続いてきたことが分かります。

※連続増配・非減配の年数は自動算出値です。重要な投資判断の前には、企業のIR資料での確認を推奨します。

配当の魅力(利回り推移・連続増配/非減配)

いまの配当利回りは0.87%です。5年平均の1.46%と比べると、かなり低い水準にあります。株価が上がった分、利回りが薄まっている、という状態です。過去5年のレンジで見ると、最高は2.40%、最低は0.78%でした。いまの水準はレンジの下限に近いところにあります。

配当の連続性を見てみましょう。5年連続で増配しており、過去27年間のうち減配した年は一度もありません。非減配年数は26年におよびます。長期で配当を維持し続けてきた実績があります。※連続増配・非減配の年数は自動算出値です。重要な投資判断の前には、企業のIR資料での確認を推奨します。

ただし、配当性向には注意すべき動きがありました。前年比で80.0ポイントという急激な変化が生じています。直近の配当性向は34.69%まで下がりましたが、これは前期の配当性向が一時的に100%を超えていた反動、と見るのが自然です。利益の急回復(EPSが34.89円から138.36円へ)を背景にした数字の変化であり、配当そのものを削った結果ではありません。

DOE(純資産配当率)は17.94%。業種中央値の2.35%、全国的な目安とされる2〜4%のどちらと比べても、かなり高い数字です。DOEは利益の増減に配当額を左右されにくくする指標ですから、この水準の高さは減配への耐性を裏付ける材料になります。

3. 業績と財務の安定性

指標値
ROE38.90%
ROA7.43%
DOE17.94%
自己資本比率18.31%
EPS / BPS138 / 804
収益性スコア3.67
還元スコア4.32
割安スコア3.32

業績と財務の安定性

売上高の伸び率は3.47%。急成長ではありませんが、着実な積み上げ型の成長です。一方でEPSは前期比98.31%という大幅な伸びを記録しました。2025年度のEPS34.89円から2026年度は138.36円へ。数字だけ見ると跳ね上がっていますが、この背景には前期の利益が一時的に落ち込んでいた反動があります。

収益性の中身を見ていきます。ROEは38.90%、ROAは7.43%、営業利益率は12.59%。いずれも業種中央値(ROE6.67%、ROA3.86%、営業利益率3.89%)を大きく上回ります。本業の稼ぐ力は業界内で頭一つ抜けている、と数字が語っています。

フリーキャッシュフローは1,551億円(155,122百万円)。事業から得た現金をしっかり確保できていることが分かります。配当を出し続けるための原資として、悪くない水準です。

気になるのは自己資本比率です。18.31%というのは、財務の安定度としてはやや薄い数字。他の指標が総じて強い分、この一点だけ見劣りする印象を持つ読者もいるかもしれません。私自身は、収益力の高さとキャッシュフローの厚みを踏まえると、この自己資本比率だけで財務を不安視する必要はないと考えています。

4. 割安度

割安度

PER(株価収益率)は31.8倍。業種中央値の17.6倍と比べると、かなり高い水準です。PBR(株価純資産倍率)も5.47倍で、業種中央値1.13倍の5倍近くまで開いています。株価は利益や純資産の実額に対して、すでに強気な評価を受けている、と読み取れます。

配当利回りの面から見ても同じ傾向が出ています。いまの利回りは0.87%。自社の過去5年平均(1.46%)や3年平均(1.28%)、1年平均(1.10%)のいずれよりも低い水準です。株価上昇のペースが、配当の伸びを上回ってきた結果です。

割安さを測るいくつかの指標が、そろって「高め」を示しています。これは業績の強さが評価された結果でもあり、単純な割高・割安の二択では語りにくい状況です。配当性向は34.69%。利益に対する配当の取り分としては、まだ余力を残す水準にあります。

私が数字から受ける印象は、成長と収益力の高さが株価にしっかり織り込まれている、というものです。新規に検討するなら、過去の利回りレンジとの位置関係を踏まえて判断したいところです。

過去5年の配当利回りレンジを、株価の水準に置き換えたものです。いまの株価がそのレンジのどこにあるかを示します。前提は「配当が今の水準を保つこと」で、業績の変化は織り込んでいません。売買を推奨するものではありません。

区分株価水準(対応利回り)
現在株価5497円(利回り0.87%)
5年平均利回りに戻る株価3288円(利回り1.46%)
5年最高利回り時の株価2000円(利回り2.40%)
5年最低利回り時の株価6154円(利回り0.78%)

いまの株価は3288円(5年平均利回り水準)と6154円(5年最低利回り水準)のあいだにあります。利回りが5年平均に戻るには、株価が約40.2%下がる計算です。

株価と過去5年の利回り水準線(円) 0 2,000 4,000 6,000 8,000 5年最低利回り水準 6,154 5年平均利回り水準 3,288 5年最高利回り水準 2,000 21/08 22/08 23/08 24/08 25/08 26/08 5,497

株価の推移に、配当利回りの水準から算出した参考ラインを重ねたグラフです。現在の株価5,497円は、利回りが5年最低水準(0.78%)まで下がる株価とされる6,153.8円に近づいています。利回りが5年平均(1.46%)に戻る水準の株価は3,287.7円で、いまの株価からは40.2%の乖離があります。このラインは過去の利回りレンジから機械的に算出した参考値であり、売買を推奨するものではありません。

5. 総合判断

総合判定: 中立(スコア 100.0)

総合スコアは中位です。株価は自社の過去利回りレンジのなかほどにあります。利回り・財務・増配記録を合わせて確認してください。

判定根拠:
割安感が乏しい/自社平均より低利回り
+ ROE10%以上の高収益
+ 5年連続増配
+ DOE2%以上かつ業種平均以上(還元姿勢良好)

総合判断

味の素の配当投資対象としての評価は「中立」です。スコアの内訳を見ると、収益性スコアが3.665、還元スコアが4.319、割安スコアが3.316。還元姿勢は評価できる一方、株価の割安感には乏しい、という構図が浮かび上がります。

加点材料は3つあります。ROE10%以上という高い収益性、5年連続の増配、そしてDOEが2%以上かつ業種平均を上回る還元姿勢の良さです。これらは配当株としての土台がしっかりしていることを示しています。過去27年間、減配を一度も経験していない実績も見逃せません。※連続増配・非減配の年数は自動算出値です。重要な投資判断の前には、企業のIR資料での確認を推奨します。

一方で、判定根拠が指摘するのは「割安感が乏しい」「自社平均より低利回り」という2点です。自社利回り比は0.6。過去の自分自身の利回り水準と比べても、いまの株価は高めに評価されている、ということです。業績の強さは保有を続ける理由になりますが、新たに買い増す局面としては割高側にある、と数字が語っています。

もう一つ触れておきたいのが、配当性向の急変です。前年比で80.0ポイントという大きな変化が生じました。前期の配当性向が一時的に100%を超える水準まで跳ね上がり、そこからの反動で今期は34.69%まで戻っています。これはEPSの急回復(34.89円から138.36円へ)が主因であり、配当額自体は減っていません。とはいえ、こうした変動が起きた銘柄は、次の決算での数字の安定性を見届ける価値があります。

総合スコアは100.0、複合スコアは2.0。中立という判定は、収益力と還元姿勢の強さを、割高な株価評価が相殺している状態を映しています。保有中の方には安心材料が多く、新規で検討する方には、価格面での見極めが要る銘柄です。

6. よくある質問

味の素の株価は割安ですか、割高ですか?

配当利回りは0.87%で、過去5年平均の1.46%を下回る水準です。総合スコアによる区分は「中立」です。売買を推奨するものではありません。

同社は何年連続で増配していますか?

5年連続で増配しています(株式分割調整後の1株配当ベース)。また26年間、配当を減らしていません。

同社の配当性向はどのくらいですか?

配当性向は約35%です。一般に30〜50%が無理のない理想帯とされます。

本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨・勧誘するものではありません。投資に関する最終的な判断は、ご自身の責任において行ってください。

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